日本にも海外からの観光客が戻りつつあるいま、「オーバーツーリズム」について改めて考えるときが来たようだ。多すぎる観光客に対し、イタリアの小さな村がとった少々過激な措置が、その議論に再び火をつけた。
人口400人の村に7000人の観光客

ベルルスコーニ元伊首相をはじめ、数々の億万長者が別荘を持つことで知られるイタリア北部の村、ポルトフィーノ。リグーリア海に面した人口400人程度の小さなこの村には、観光客たちが多く訪れる。とても多く。多すぎるとも言えるほど。

そう考えたのは村長のマッテオ・ヴィアカヴァも同じだった。伊オンラインメディア「イル・ポスト」に語ったことによると、「観光客がもっとも多く訪れる場所を“レッドゾーン”としました。自由に歩くことはできますが、そこで立ち止まることは禁じられます」。

この措置は「人と車の流動性の問題」と「面積当たりの過度な人口密度による潜在的な危険性」に対するものだと村長は言う。10月15日まで毎日、10時30分から18時まで適用され、違反した場合、68~275ユーロ(1~4万円)の罰金を科される可能性がある。

残り: 696文字 / 全文 : 1283文字
この記事は会員限定です。

COURRiER JAPON 2023.4.19
https://courrier.jp/news/archives/323345/