2022年8月29日
https://www.bbc.com/japanese/62710636

イギリスのエネルギー規制当局は26日、家庭の電気・ガス料金の上限について、80%の引き上げを発表した。国内の専門家や慈善団体は、人命が危険にさらされる恐れもあると警告している。

イギリスのガス電力市場監督局(Ofgem)によると、標準世帯の光熱費は今年10月から年間3549ポンド(約57万円)と、現在の1971ポンドから80%増える。前払い式の定額制メーターを使っている世帯では、現在の2017ポンドから3608ポンドに高まる。

光熱費の上限の引き上げによって、子供や若者の健康が危険にさらされる恐れがあると、慈善団体「セイブ・ザ・チルドレン」は警告している。経済ジャーナリスのマーティン・ルイスさんは、今より手厚い公的支援がなければ深刻な被害が予想されるとしている。

イギリスは現在、与党・保守党の党首選の最中で、9月5日にどちらかが新首相に決まるリズ・トラス外相とリシ・スーナク前財務相に対しては、光熱費の上昇で困窮する世帯への追加支援策を明示するよう、圧力が高まっている。両候補は、家計支援を約束しているものの、新首相として実行する具体的な施策を明示していない。

最大野党・労働党は、両氏が光熱費の大幅引き上げについて「ほとんど何も言うことがない」様子だと批判している。

《イカソース》