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2020/03/06(金) 03:25:23.07ID:CAP_USER【モスクワ=石川陽平】ウクライナ最高会議（国会）は4日、ホンチャルク首相の辞任を賛成多数で決定した。ゼレンスキー大統領による事実上の更迭で、新首相には同日、前内閣で副首相だったデニス・シュミハリ氏（44）が就いた。ゼレンスキー政権は景気回復への成果に乏しいホンチャルク内閣を発足から半年で総辞職させ、実務派のシュミハリ氏に経済の早期再建を託した。
ゼレンスキー大統領は4日、最高会議で演説し、前内閣の政策について「国内の生産を刺激する方策を提示できなかった」と指摘した。シュミハリ新首相の就任に関しては「人々のための政府」がついに現れると期待すると表明した。
ホンチャルク氏が更迭された背景には、「欧州の最貧国」の一つともいわれるウクライナの厳しい経済事情がある。
ウクライナは1991年のソ連崩壊で独立したが、内政や経済の混乱が長引いて生活水準は落ち込んだ。さらに2014年に始まった政府軍と親ロシア派武装勢力との東部紛争などにより、国内総生産（GDP）は15〜20%も減少した。
国家の危機が続くなか、東部紛争の解決と経済の再建を訴え、19年4月の大統領選決選投票で大勝したのが、政治経験のない俳優のゼレンスキー氏だった。国民の期待に応えるため、同年8月末には35歳のホンチャルク氏を首相に登用して景気の早期回復をめざしたが、逆に主要な経済指標は悪化していた。
「工業生産が5%も落ち込み、多くの部門で4カ月連続で低下が続いている」。4日の演説ではゼレンスキー氏がこういらだちをあらわにする場面もあった。国家統計局によると、鉱工業生産は19年10月には前年同月比でマイナスに転じ、10〜12月の実質GDPは前年同期比で1.5%増と、増加率は7〜9月の4%台から大きく下がった。
政府の失政は続いた。歳入の急減や炭鉱労働者への給与未払い問題を招いたほか、ホンチャルク氏が約束していた水道や電気、ガスなどの料金引き下げも遅れた。国民の失望は大きく、キエフ国際社会学研究所の2月下旬の世論調査によると、ホンチャルク氏を肯定的に評価するとの回答は8%にとどまり、ゼレンスキー氏の支持率も低下していた。
ゼレンスキー氏が新首相として白羽の矢を立てたシュミハリ氏は西部のリビウ出身で、地方政府や電力会社のトップを歴任した経験の豊かなテクノクラートだ。ゼレンスキー氏の改革の方針に従って経済成長の促進をめざす考えで、4日に最高会議で新首相就任への承認を受けた後、投資環境の改善やインフラ整備などを進めると表明した。
内閣の総辞職に伴い、外相や国防相など主要閣僚も交代した。前内閣で欧州統合を担当する副首相だったドミトロー・クレバ氏が新外相に、親ロシア派武装勢力との東部紛争の停戦協議にも参加した軍人のアンドリー・タラン氏が国防相にそれぞれ就いた。欧州連合（EU）への加盟や東部紛争の早期解決をめざすゼレンスキー政権の方針には変更はない見通しだ。
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https://tyzhden.ua/Politics/241214
(画像)
https://i.tyzhden.ua/content/photoalbum/2020/03_2020/04/642/1b.jpg
2020年3月5日 5:01 日本経済新聞
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO56406390V00C20A3000000
