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2019/08/30(金) 18:06:54.44ID:CAP_USER動画:https://players.brightcove.net/5615997992001/default_default/index.html?videoId=6072164632001
【8月30日 AFP】カナダ人のエドワード・キーン(Edward Kean)さん(60)は、20年以上もの間、北大西洋に浮かぶ巨大な流氷の塊を船で岸まで運び、流氷が解けてできた水を地元企業に販売してきた。その水は、ボトル詰めされてアルコール飲料や化粧品の原料として使用されるため、高額で買い取ってもらえるという。
地球温暖化に伴い、事業は絶好調だ。北極圏では、他の地域の3倍の速さで温暖化が進んでいると専門家らは指摘する。南下する流氷の数も増加傾向にある。
だが、仕事はかなりきつい。毎日が多忙で、「収穫」も容易ではない。取材に訪れた日、船長のキーンさんは、衛星地図を使って探し出したという流氷の「獲物」を手に入れるため、約24キロの航海に出発した。
大西洋に面したボナビスタ湾(Bonavista Bay)にそびえ立つ巨大な流氷の近くに到着すると、キーンさんは、流氷に向かってもりを撃ち込んだ。
発射音が立て続けに3回響き渡り、辺りの空気がわずかに震えた。乗組員たちは固唾をのんで見守るが、流氷が真っ二つに割れることはない。
夏になると、流氷の採取は時間との闘いだ。
「流氷はこの辺りまで来ると、あっという間に解けていく」と、キーンさんは話す。流氷がカナダ最東部ニューファンドランド(Newfoundland)島沖に現れたときには、まさに時間との競争になる。
乗組員2人がモーターボートに乗り、流氷の周囲を回ったり触ったりしながら、近くに小さな塊が浮いていないか探した。
貴重な塊を見つけたら、ポールを使ってネットをかぶせる。塊一つの重さは、1〜2トンにもなるという。それを漁船の甲板に載せたクレーン車のフックに結び付け、船の上に引き上げる。キーンさんはその塊をおので割り、1000リットルのコンテナに入れ、数日かけて解けるのを待つ。
5〜7月の繁忙期には、80万リットルもの水が採取でき、1リットル当たり1ドル(約105円)で地元企業に販売する。
■「地球上で入手可能な水の中で最も純度が高く、清潔」を売りに
キーンさんの得意先企業であるダイナプロ(Dyna Pro)は、ボトル詰めした流氷の水を1本16カナダ・ドル(約1300円)で販売している。ターゲットは富裕層だが、国外での販路拡大を目指しているという。
同社のケリー・チョーク(Kerry Chaulk)氏は、「現在、欧州やシンガポール、ドバイといった国外へも流氷を輸出している。わが社が成長できたのもおそらくそのおかげだ」と話す。
カナダの観光地、トウィリンゲート(Twillingate)にあるオークアイランド・ワイナリー(Auk Island Winery)では、野生のベリー類と流氷を原料としたワインを製造し、1本10〜90カナダ・ドル(約800〜7200円)で販売している。
「流氷を使用しているのは、地球上で入手可能な水の中で最も純度が高く、清潔だから」「流氷を使用した商品はどれも、非常にキレがあり、ピュアな味わいがあります」と同社スタッフは話す。
流氷の商品化に成功したとはいえ、キーンさんの船の乗組員は相変わらず少人数で、氷山を確保する道具も数十年来ほとんど変わっていない。
「こういう仕事は、もう誰も手作業でしたがらない」「できれば、あと数年はこのまま仕事を続けたい。でも私も60歳だから、時間は限られている」と、キーンさんは語った。
映像は6月29日〜7月5日に撮影。(c)AFP
(画像)
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2019年8月30日 10:00 AFP
https://www.afpbb.com/articles/-/3239707