・オランダで売春禁止の請願書、4万人が署名 性産業従事者は反対も

2000年に売春が合法化されたオランダで、若者を中心に売春の禁止を求める声が高まっている。オランダ議会に提出される予定の請願書には、4万人以上の署名が集まっている。

約4万2000人の若者が請願書に署名した。売春について寛容な法律を有するオランダの政治家は、今後議論を迫られることになる。

ソーシャルメディアが主導する売春禁止を求める運動の名は、「Ik ben onbetaalbaar(私には価値がある)」。

活動家たちはいわゆる「北欧モデル」のもとで、買春する側に刑罰を科したい考えだ。

キリスト教徒と女性の視点からも影響を受けたこの活動グループは、支持者が「Ik ben onbetaalbaar(私には価値がある)」と書かれたメッセージボードを手にした写真をインスタグラムに投稿した。

さらに、「自分の姉妹だったとしたら?売春は不平等の原因であり結果でもある」とも投稿した。

しかしこの投稿を見た1人は、「私は自発的にセックス・ワーカーになった。私のような人はたくさんいる。このキャンペーンは私の仕事をもっと、もっと危険にさらすことになる」
売春と法律

オランダでは、成人同士の合意があれば、買春も売春も合法だ。

一方、スウェーデンやノルウェー、アイスランド、北アイルランドやフランスが採用している「北欧モデル」のもとでは、買う側は罰せられる。
若者たちの主張

若者は、被害に遭いやすい女性を守るため、さらなる措置を講じる必要があると訴えている。

請願書では、オランダが性産業の環境を整えているのは時代遅れで、搾取的で、オランダ人はスウェーデンのような国々に目を向けてインスピレーションを求めるべきだと主張している。

北欧モデルを取り入れている国は以下のようだと説明している。

買春する人の数が少ない
人身売買において魅力的な市場になっていない
売春によって搾取される人が少ない

今回の請願書の発端となった運動「エクスポーズ(Exxpose)」の発起人の1人であるサラ・ルイス氏は、「私たちはフェミニストで、キリスト教徒で、中には中立的な思想のメンバーもいる」と話す。

「オランダはより安全な政策をとっていて、(売買春を)犯罪の枠組みから除外することがさらなる安全につながり、性行為を売り物にするのは自由だという、そういう発想がある。しかし、多くのことが誤った方向へと進んでいる。非常に多くの人身売買がはびこっているし、安価な性行為への需要が高まっていることでアムステルダムは被害に遭いやすい場所になってしまっている」

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(英語記事 Youth petition forces Dutch prostitution debate)
https://www.bbc.com/news/world-europe-47865363

(Amsterdam is well known for its De Wallen red light area, but campaigners say the prostitutes are exploited)
https://ichef.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/5D77/production/_106372932_wallen.jpg

2019年04月19日 BBC
https://www.bbc.com/japanese/47932685