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2019/03/25(月) 22:39:57.76ID:CAP_USERロシアの詩人イリヤ・マゾのプロジェクト「WINTER」が、あなたを田舎町の終わりなき「グラウンドホッグ・ナイト」に引きずり込む。平均的なロシア人の生活を如実に再現したシミュレーションは最適とは言えず、馬鹿げてさえいる。
夜、あなたは気付くとロシアのとある町のアパートの一室にいる。あなたは貧しい。コンピューターはなく、台所にラジオがあるだけだ。冷蔵庫を開けて食べ物を見てみよう。驚くべきことに、トマトと卵、ソーセージがある。机の上の電子レンジは動く。しかしやかんはだめだ。したがってこのゲームでは茶は飲めない。居間の窓辺には寂しげな花が2本飾ってある。絨毯が壁に掛かっている。窓の向こうでは雪が降りしきっている。冬だ。
ゲーム「It’s Winter」は、ロシアの無名のアーティストの作品を愛するすべての人のために、モスクワの詩人イリヤ・マゾのプロジェクト「WINTER」の一部として作られた。生みの親が「デジタル・オペラ」と呼ぶプロジェクトは、未発表の詩集、短篇映画、曲集、演劇から成る。
うまくいかない現実
ロシア語話者と英語話者のプレイヤーと記者から最も注目を集めたのは、詞でも劇でもなく、ゲームだった。2019年3月初旬にSteamで利用可能となったこのゲームは、ロシアの生活を完璧に再現したものらしい。だが、ロシアの生活がそうであり得るように、シミュレーションも正常に動作しない。これは故意だろうか。
アレクサンドル「sad3d」イグナートフによって作られたこのゲームは、単純なウォーキングシミュレーターだ。ザ・チャイニーズ・ルームの「Dear Esther」に似て、プレイヤーはただ歩き、限られたものにだけ触れることができる。冷蔵庫を開けたり閉めたり、明かりを点けたり消したりできるが、座ったり横ったわりすることはできない。ラジオをつければ、雑音と少女の声で読まれる詩が聞こえるだけだ。もしかしたら外に何かあるのだろうか。
外に出ても、できることは階段のゴミを片付けることだけのようだ。よその部屋の扉は、どれだけ叩いても開かない。中庭には何もない運動場があり、明かりの点いたよその部屋の窓(入ることはできない)を見て、夜間の店(閉まっている)の前を通ることができる。この場を離れようとしても、せいぜい寂しげなトラクターに出会うくらいだ。林の中に入ろうとすると、ゲームの動作が遅くなり、ついにはテクスチャーに張り付いてしまう。どうやらロシア版マトリックスのグリッチのようだ。リロードしよう。
多くのプレイヤーが引き込まれたのは、閉じ込められているような感覚だ。ロシアの小さな町の外れ、あるいは首都の郊外に住めば、毎日が同じように見える。冬はなおさらだ。景色は細部まで注意を払って綿密に作られている。ゲームがさらに発展することを望まずにはいられない
「まず詩をトイレに流した」
気付けば廊下に立っている
パイの欠片を噛みながら
台所から歩み出る
部屋に入る意味はない
これはプロジェクトのために作られた詩集に収められた100以上の短い詩の一つだ。どの詩もミニマリスト的で、意味やイメージはほとんど無に等しい。短編映画では、ロシアの無名のミュージシャンによってこの本の詩が読まれ、あるいは歌われる
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(画像)
https://cdni.rbth.com/rbthmedia/images/2019.03/article/5c8a67f085600a15443dd71d.jpg
2019年3月14日ロシア・ビヨンド
https://jp.rbth.com/lifestyle/81736-roshia-jin-ga-zetsubou-shimureshon-gemu-wo-kaihatsu