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拘束のカナダ人「国家機密盗んだ疑い」中国がゆさぶりか
2019年3月5日 0時49分

中国の通信機器大手、ファーウェイの副会長の身柄をカナダからアメリカに引き渡すかどうかを判断する審理を前に、中国共産党系のメディアは、中国で拘束中のカナダ人について「国家機密を盗んだ疑いがある」などと伝えました。カナダ側に揺さぶりをかけるねらいがあるとみられます。

去年12月にアメリカの要請で、カナダで逮捕されたファーウェイの孟晩舟副会長をめぐっては、今週6日にカナダの裁判所で、アメリカに引き渡すかどうかを判断する審理が行われます。

中国政府は直ちに釈放するよう求めて反発するとともに、中国でカナダ人を相次いで拘束して、圧力をかけています。

こうした中、中国共産党系のメディア、環球時報は4日、拘束中のカナダ人のうち、休職中の外交官のコブリグ氏の捜査に「重要な進展があった」などとする記事を掲載しました。

それによりますと、「コブリグ氏は同じカナダ人のスパバ氏と連絡を取るなどして、国家機密や情報を盗んだ疑いがある」としたうえで、「中国は国家の安全に重大な危害を及ぼす犯罪活動を断固として取り締まる」などと強調しました。

詳しい容疑事実は不明のままですが、中国政府が共産党系のメディアを使って、2人の捜査状況を伝えた背景には、孟副会長の審理を前に、カナダ側に揺さぶりをかけるねらいがあるものとみられます。