・ドイツ「連帯税」の即時廃止を求める声強まる 東側はインフラ整備進むも失業率に格差

【12月30日 時事通信社】ドイツで旧東側地域の復興を目的に導入された「連帯税」の即時廃止を求める声が強まっている。東西統一から30年近くが経過し、主な担い手の富裕層を中心に「東西格差は既に解消した」との不満が高まっているためだ。

 連帯税は統一1年後の1991年に導入。所得税に5.5%が上乗せされる。所得税は累進課税のため、高所得者ほど負担が大きく、ツァイト紙によると月収2000ユーロ(約25万円)では税額が月16ユーロ(約2000円)。月収1万ユーロ(約126万円)だと月191ユーロ(約2万4000円)となる。

 連帯税の税収は、経済成長に伴い昨年時点で約180億ユーロと、10年で4割近く増加。同税は使途が限定されておらず、明確に対応する支出項目はないが、東側への財政支援枠組み「連帯協定」に基づき東側各州に支払われた額は昨年で53億ユーロと、10年前の3分の1程度に減少。東側のインフラ整備はある程度進んだとの見方は強い。大手製造業に近いロビー団体のINSMは「連帯税は役割を終えた」と主張する。

 与党・キリスト教民主同盟(CDU)は連立相手の社民党と、納税者の9割に当たる年収9万ユーロ以下の世帯について、2021年からの課税撤廃で昨年に合意している。ただ、残り1割の富裕層が税収のほぼ半分を担っており、全廃を求める声は強い。メルケル首相に代わって今月就任した、CDUのクランプカレンバウアー新党首は「21年の全廃」を掲げ、一歩踏み込んだ。

 ただ、インフラ整備が進んでも、東側の失業率6.3%と、西側の4.5%とはまだ差がある。東側で影響力のある左派党のデマージ議員は「富裕層向けの減税だ」と、廃止に強く反対している。(c)時事通信社

・Solidaritätszuschlaggesetz 1995
http://www.gesetze-im-internet.de/solzg_1995/

・SPD lehnt Unions-Forderungen nach Ende für Solidaritätszuschlag ab
https://www.tt.com/ticker/15182727/spd-lehnt-unions-forderungen-nach-ende-fuer-solidaritaetszuschlag-ab

(画像)
https://www.lkz.de/cms_media/module_img/2006/1003187_1_detailbig_Seit_fast_30_Jahren_Solidaritaetszuschlag_auf_einer_Gehaltsabrechnung._Foto_Kay_Nietfeld.jpg

2018年12月30日 18:15 JIJI.COM
http://www.afpbb.com/articles/-/3204633?act=all
https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-157262/