2018.10.20 09:00
岡本玄介

日本の企業なのに、日本が遅れを取っているような歯がゆさ。

制御盤を得意とする、愛知県のエンジニアリング・メーカー三笠製作所が、ドバイ警察と共同開発を進めてきた世界初の自動運転車が、中東最大の情報通信技術展示会「GITEX Technology Week 2018」にて展示・発表されました。

実はこれ、交番なんです。しかも自走するんです。この「SPS‐AMV」はまだコンセプト・モデルだそうですが、非常に斬新ですよね。特設ページにはこう書かれています。

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SPS‐AMVは「Smart Police Station-Autonomus Mobile Vehicle」の略で、ワイヤレス充電および太陽光発電で内蔵バッテリーを充電して稼働する自動運転・電動ビークル(AMV)に、警察行政サービス端末(SPS)を搭載したもの
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まずはコンセプト映像で、その全容をつかんでみてください。

https://www.gizmodo.jp/2018/10/movable-police-box.html

市民を顔認証し、通信で警察官とビデオチャットすることもできます。



機能満載

「SPS‐AMV」は、移動しながら落とし物を受け取ったりという、交番らしい業務も行ないながら、各種の支払いや住民票の印刷など、約30の行政サービスを代行して廻るのだそうです。

しかも移動しながら警察本部と通信し、前後についた360度カメラシステムにより、道中で出くわした犯罪や交通違反を検知・通報するのです。さらには」「火災判定」、「交通量調査」、「道路状況の監視」などもマルチにこなします。加えて、いかにも砂漠の国らしい「砂塵嵐・砂嵐予測監視システム」という機能も搭載されているのがユニーク。

こちらの動画では、実車が走る姿が見られます。


Video: 三笠製作所制御盤/YouTube

これが街中に配備されたら交通違反が激減し、市民が昼休みに役所の手続き関係を終わらせることができますね。一石何鳥になるのでしょうか?



この会社、実は……

先日セガがオープンした、大崎にあるメンバー制コワーキングスペース「TUNNEL TOKYO」にオフィスを構えるという三笠製作所。昨年は日本発の未来型電動バイク「zecOO」をドバイ警察仕様にした白バイを作ったこともありました。


Video: 三笠製作所制御盤/YouTube
こんな金田のバイクみたいな白バイが走るだなんて、超イカしますよね。日本の企業が世界でこんな活躍しているのは、誇らしいことです。

Source: YouTube (1, 2, 3) via 制御盤 三笠製作所