【7月22日 AFP】パキスタン・パンジャブ(Punjab)州にあるモーリプール(Mohri Pur)村の男性たちは1947年頃、
女性たちが選挙に行くことを禁止した。それ以来、女性たちはその規則に従ってきた――今年までは。
パキスタンの選挙法が改定され、女性たちの選挙に対する姿勢も大きく変わるかもしれない。

 少なくとも、パキスタン中部の都市ムルタン(Multan)から60キロほど離れた村で、
強い日差しを逃れムラサキフトモモの木の下に集まっている大勢の女性にとって、これは希望だ。
だが、女性たちがAFPの取材を受けているのを腹立たし気に見ている男性たちが、
7月25日に行われる選挙に女性たちを行かせるかどうかは別の問題だ。

 村の長老たちは、投票所に行くことが女性たちの「名誉を汚す」として、何十年も女性が選挙に行くことを禁止してきた。

「名誉」という言葉は、南アジアに広がる家父長制度をよく言い表している。
「名誉」はしばしば、夫を自分で選んだり、家の外で働いたりするなど伝統的保守主義に逆らう女性の殺害や抑圧を正当化する。

 だが、パキスタン選挙管理委員会(ECP)は、各選挙区で投票の少なくとも10%を女性が占めていなければ、
選挙結果を無効にすると宣言した。選挙管理委員会によると、2000万人近くが新たに選挙人名簿へ登録をしたが、
うち913万人が女性だったという。

 人口約2億700万人のパキスタンでは家父長制が根強く、女性の権利向上のための闘いが長らく続いている。
今回の選挙規定の変更もその一歩となる。2013年の選挙では男女の不均衡を正す取り組みはほとんどされず、
結局男性の選挙人名簿への登録数が女性を約1100万人上回った。

 変化の波は、モーリプールのような遠く離れた保守的な農村部にまでやってきた。

■暴力の恐怖

「(女性が投票に行かない)最大の理由は、女性が家から出ることさえ認めない地域があることだ」と、
ジェンダー専門家で活動家のファルザナ・バリ(Farzana Bari)氏は指摘した。
選挙管理委員会が規則を変更したことにより状況は改善されるはずだ。
だが、バリ氏は、各選挙区内には女性が投票に行くことを阻止する地区があるかもしれないと警告している。

 モーリプールでは、女性が家の外に働きに出ていて、教育を受けている女性もいる。
それでも、投票に行くことは禁止されたままだ。
ムラサキフトモモの木の下に集まった若い女性の多くは選挙権を行使したがっているが、全員がそう思っているわけではない。

「1人で選挙に行ったら、暴力や混乱が生じ、男性が女性を虐待したり、殴ったりするだろう。だから行かないほうがいい」と、
22歳のシュマイラ・マジード(Shumaila Majeed)さんは指摘する。
それにも関わらず、マジードさんの「出来る限り」多くの女性を投票に連れて行くという決心は変わらない。

 モーリプールで唯一の女性議員イルシャド・ビビ(Irshad Bibi)氏は、
村議会議員の少なくとも1人は女性であることという法律に従って選ばれた。だが、投票に行ったことはない。

 なぜ投票に行かないのかと質問すると、ビビ氏は彼女に代わって夫が答えるよう求めた。

「私たちの長老がこの慣習を決めた。私たちは今日でもこれを支持している」と、
夫のザファル・イクバル(Zafar Iqbal)さんはAFPに語った。

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AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3182727