内戦で大きな被害が出ているアフリカ東部の南スーダンをめぐり、
国連安全保障理事会は13日、武器禁輸などの制裁決議を採択した。
一部には禁輸で勢力均衡が崩れ、和平プロセスが進まなくなるとの懸念もあったが、
米国などが暴力の連鎖を食い止めることが先決と訴え、押し切った。

 2011年にスーダンから独立した南スーダンでは、
石油資源をめぐって民族の異なるキール大統領とマシャル元副大統領が対立。
13年12月以来、政府軍と反政府勢力の間で内戦が続き、人口の3分の1に当たる400万人が国内外に避難している。
6月27日に両者が和平合意に達したが、その後も衝突が起きている。

 決議は加盟国に南スーダンへの武器の供給や販売を即時にやめるよう求めた。
戦闘行為に関する技術や資金面での支援も禁じた。禁輸で政府側の武器調達が困難になる一方、
非正規ルートでの反政府勢力への武器の流入を止めるのは難しいとの指摘もあるが、
米国のヘイリー国連大使は安保理で「南スーダンの人々を助けるには暴力を止める必要がある。
そのためには武器の流入を止めなければいけない」と訴えた。

 米政府は、オバマ政権末期の16年12月にも安保理で対南スーダン武器禁輸の制裁決議の採択を目指したが、
15理事国のうち日本など8カ国が外交努力をすべきだとして棄権。採択に必要な9カ国の賛成が得られず、廃案となった。
今回は賛成9カ国、棄権6カ国だった。日本は現在、理事国から外れている。

朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASL7G257KL7GUHBI003.html