「スター・ウォーズ」の最新作に出演したベトナム系の米国人女優ケリー・マリー・トランさんが、
ソーシャルメディア上での性差別・人種差別被害を受け、インスタグラムの投稿を全て削除した。

トランさんは昨年公開された「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」で、レジスタンスのエンジニア、
ローズ・ティコを演じた。

しかしトランさんは一部のファンから、エスニシティーや容姿をターゲットに激しい攻撃を受けた。

同作品のライアン・ジョンソン監督はトランさんを擁護。こうしたファンを「子どもじみた大人たち」と呼んだ。

同監督はツイッターで「子どもじみた大人たちにについて話す時に何を話すか」「ソーシャルメディアでは、
少数の不健全な人が大きな影響力を持つことがある。
でもこの4年間、私は多くの良いスター・ウォーズ・ファンに出会ってきた。
私たちは何かを好きになったり嫌いになったりするが、それはユーモアと愛と尊重を伴ってするもの。
私たちが圧倒的な多数だ。楽しくやっているし、それでいい」とつづった。

一部のファンは彼女が演じたローズ・ティコを激しく批判するだけでなく、
トランさん自身にも憎悪の矛先を向けた。

■インターネット上の侮辱

「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」でローズは、銀河帝国軍の残党ファースト・オーダーに家を破壊され、
レジスタンスに参加する。

ローズはその後、ファースト・オーダー打倒のために、本作品の主人公の一人フィンと共に働くことになる。

削除されてしまったインスタグラムの投稿で、
トランさんは「スター・ウォーズ」シリーズに参加する興奮を語っていた。

トランさんはその投稿で、「大勢の人が愛する作品の一部となり、演技をし、
物語をつむげることがどれだけ幸せなことか分かっている」と話していた。

しかし昨年12月に映画が公開された直後から、
トランさんはスター・ウォーズのファンから侮辱的なコメントを受け取るようになった。

オンライン上のスター・ウォーズ百科事典「ウーキーペディア」ではローズ・ティコのページが書き換えられ、
彼女の名前も東アジアの英語アクセントを真似した中傷的なものに変えられていた。

また、トランさんの外見やエスニシティー、体重に言及する侮辱コメントもあった。

インスタグラムから姿を消したことについて、トランさん自身から説明はない。
しかし彼女の支持者は、インターネット上でのいじめを批判し、彼女を擁護している。

スター・ウォーズ・マレーシア・ファンクラブのサンジーブ・インドラン会長は
「いくつかのコメントを見ただけで、彼女が心を決めた理由が分かる」と話した。

「スター・ウォーズファンと呼ばれているひどい人々のせいで、
彼女が人生の選択を押し付けられていることが悲しい」

「多くのファンは、フォースのように、彼女と共にいる」

ツイッター上ではアジア系米国人が、著名な映画作品にアジア系の俳優が登場する重要性を説いている。

米コミックライターのジョディー・ハウザーさんはツイッターで、
「幸運にもトランさんに少し会う機会があったけど、
オタク丸出しのコミックライターに対しても素晴らしく優しかった。
架空のキャラクターを好きにならないのは良い。実在の人間を侮辱するのは良くない」とツイートした。

脚本家のサラ・ドラードさんも、「もしトランさんをインスタグラムでフォローしていたら、
彼女がこの忌まわしいインターネット世界で一番親切で前向きな魂の持ち主だってことが分かる。
彼女を傷つける人全員と戦う」と述べた。

(英語記事 Abuse-hit Star Wars actress wipes Instagram)
http://www.bbc.com/news/world-asia-44379473

https://ichef.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/53DD/production/_101896412_gettyimages-931929380.jpg

BBCニュース
http://www.bbc.com/japanese/44393076
続く)