「中央銀行には独立性があるが、大統領の合図を無視してよいわけではない」。
金融政策を巡るトルコのエルドアン大統領の発言をきっかけに15日、通貨リラが急落した。
6月24日の大統領選で再選された際には「影響力を示さなければならない」と述べ、
金融政策をつかさどる中銀への統制を強める考えを示唆したためだ。

 米ブルームバーグとのインタビューでの発言。銀行部門の脆弱性を指摘した米格付け会社のリポート発表も重なり、
一時1ドル=4.47リラまで下落し、過去最安値を更新した。年初からの下落率は約15%に達し、
主な新興国通貨のなかで最も下げが大きい。代表的な株価指数BIST100も1.7%下げた。

 トルコ中銀は物価安定の実現を使命としており、中銀法で独立を保障されている。
経常赤字の拡大と物価上昇に直面し、専門家は通貨防衛のため大胆な利上げの必要性を指摘する。
しかし、引き締めを嫌うエルドアン氏は「金利を下げれば、インフレも低下する」と強弁し、
中銀が金融引き締めに動かないよう圧力を加えている。

 通貨安は企業にとって外貨建て債務の返済負担の拡大、家計にとっては購買力の低下を意味する。
有権者の不満が膨らみ、投票行動に影響を与える可能性もある

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https://www.nikkei.com/content/pic/20180516/96958A9F889DE1E2E7E4E5E0EBE2E3E4E2E7E0E2E3EAE2E2E2E2E2E2-DSXMZO3056731016052018000001-PN1-2.jpg

日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30567290W8A510C1000000/