0001しじみ ★
2018/04/16(月) 02:53:21.81ID:CAP_USER2月下旬のある日の深夜、国内私鉄向けの新型車両かと見紛う車両が日本車輌製造・豊川工場から、
豊橋港に向けて輸送された。
約1カ月の航送を経て、その車両は4月4日にジャカルタ・タンジュンプリオク港へ到着した。
わが国の円借款事業として来年度に開業を目指すインドネシア初の地下鉄、
ジャカルタ地下鉄公社(MRTJ)南北線向け車両の第1陣となる6両編成2本、計12両である。
構想から約30年、着工から約5年、実際に営業に就く車両が到着したことで、
いよいよ開業が目前に迫ってきたことを実感させられた。
■通勤輸送の大動脈に
MRTJ南北線は、ジャカルタ特別州最南部に位置し、隣接するデポック市、
タンゲラン市にも程近いルバックブルスから、都心を経由し、
旧市街でもあるコタ・カンプンバンダンを結ぶ23.8qの計画であるが、今回開業するのは、
郊外と都心を結ぶ第1期区間にあたるルバックブルス―ブンダランHI間15.7qである。
都心側のスナヤン―ブンダランHI間5.9qが地下区間、残りは高架式である。
ジャカルタいちばんの目抜き通りともいえるスディルマン通り、
およびファットマワティ通りの地下や直上を走行し、首都を南北に貫く。
また、都心側のドゥクアタスではインドネシア通勤鉄道(KCI)環状線と空港鉄道に連絡するなど、
今後ジャカルタの通勤輸送の大動脈になることが予想される。
第1期区間の土木工事は6工区に分けられ、
東急建設・清水建設・大林組・三井住友建設それぞれが現地企業とJVを組み、建設にあたっている。
信号・通信・出改札などのシステム納入、
および受配電など含めた軌道工事等は三井物産・東洋エンジニアリング・神戸製鋼所他、
4社のコンソーシアムが、また実際のオペレーションにかかわる部分に対しては、
開業前・開業後の運営体制の構築・支援として、
日本コンサルタンツ・日本工営・オリエンタルコンサルタンツ・パデコが共同で受注している。
このような包括的パッケージ型インフラ輸出の事例としては、同じく円借款事業として、
タイ・バンコクのパープルラインが2016年に開業しているが、MRTJ南北線プロジェクトは日本タイド、
本邦技術活用条件が適用されている。MRTJ社と受注企業間での温度差、
認識のずれ等に起因するさまざまな紆余曲折があるとは聞くが、
名実ともにオールジャパンの技術を結集したプロジェクトがまもなく完成する。
さて、今回到着した車両は住友商事と日本車輌製造の受注によるもので、
最終的には6両編成16本の計96両が導入される。保安装置にはCBTC(無線式列車制御システム)を搭載、
営業運転ではATO(自動列車運転装置)を用いたワンマン運転が実施される。
この車両の基本仕様は、2000年代初頭に海外鉄道技術協力協会(当時)によって、
官民連携による鉄道車両の輸出促進を志向して策定したとされる
STRASYA(STandard urban RAilway SYstem for Asia) と称する車両設計のコンセプトに従っている。
STRASYAの内容には、日本の首都圏を中心に運用されている通勤電車の実仕様が色濃く反映されており、
結果として日本の通勤車両と瓜二つの車両が海外向けに誕生する結果となった。
そして、STRASYAに基づいた、いわば日本の標準仕様での電車の輸出は、実はこれが第1号なのである。
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関連ソース画像
https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/a/4/1140/img_a4cf8ee38ae765126e76deb94e389eb3121074.jpg
東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/216103