英政界がセクハラ問題に揺れている。議員が秘書や女性記者らに性的嫌がらせを行ったとの疑惑が相次いでいるためで、1日にはメイ政権の有力閣僚が過去の問題行動を認めて辞任。メイ首相は超党派機関を設けて対策に乗りだしたが、次々と暴露される政治家の醜態に国民は政治不信を募らせている。
 問題の端緒は米映画界の重鎮プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏によるセクハラ騒動。女優らが被害体験を告発する中、英国でも政治家らからセクハラを受けたと訴える人が続出。ソーシャルメディアでは、現役保守党議員36人の「不適切な性的行為」を告発する内部文書が出回り、女性秘書に性具を買ってこさせたり、助手と性的関係を持ったりしたなどの疑惑が暴露された。
 こうした中、女性記者へのセクハラを指摘されていたファロン前国防相が1日辞任。詳しい辞任理由は不明だが、同僚の女性閣僚にわいせつ発言をした疑いも浮上している。メイ首相と近いグリーン筆頭国務相も、女性の党活動家にみだらなテキストメッセージを送ったと批判を受けている。
 疑惑は与党だけではない。最大野党の労働党でも、女性活動家(25)が党の上級職員からレイプされたと実名で訴え出て、内部調査が進行中だ。メイ首相は事態沈静化を図ろうと、議会内に専門機関を設置するようバーコウ下院議長に要請。しかし、相次ぐ告発は問題の根深さをうかがわせ、「権力の回廊にはびこるゆがんだ文化」(コービン労働党首)の一掃は困難な作業となりそうだ。
jiji
(2017/11/04-14:47)
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