論旨『おじいさんは100歳なのか』

A,100歳である

 「おじいさんの産まれた朝に買ってきた時計」が「100年休まずに、おじいさんと一緒にチクタク」動き続けていたのであり、また歌詞の内容として明確に言及しない部分で『おじいさんの命と時計の連動』を意味している
 すなわち、おじいさんと時計の〘相棒〙という要素を歌った曲である

B,100歳ではない

 「おじいさんの産まれた朝に買ってきた時計」ということは、おじいさんの誕生以前に動いていたわけである。
 また、歌詞の順番は
 ①100年休まずにチクタクチクタク
 ②おじいさんと一緒にチクタクチクタク
 ①は時計そのものの稼働時間を歌っており、100年間稼働したと考えられる
 ②はその100年間の歴史の中におじいさんと過ごした時間がある、ということを述べている
 つまり②は①に重なる補足ではない、という考え方ができる
 歌詞の内容としては、おじいさんよりも長い時間を生きている時計が自分よりも若いおじいさん(推定70~80歳前後)を見守っていたことを意味するものである
 故にその時計が止まったということは、おじいさんを見守る役目が終わった事を意味し、暗におじいさんが亡くなった事を示している
 理解には(そもそも人間が100年という歳月を生きるはずがない)という常識が必要であり、また当該の歌が作られた時代の寿命に対する認識は現代と異なるという予測が必要である
 すなわち、時計がおじいさんの〘庇護者〙であったことを歌った曲である