おたくま経済新聞2022/8/16 18:00
https://otakei.otakuma.net/archives/2022081608.html

100回目のコミックマーケット(コミケ)が終わり、時代の節目を迎えた同人誌の世界。久々に復帰したところ、まるで異世界にいるような様変わりぶりに驚いたというnote記事も話題になりました。

ここで少し、筆者が同人誌に関わるようになった昭和の終わりから平成初期にかけての同人誌文化を振り返ってみましょう。今では見られなくなったものがいろいろあります。

今から30~40年前となる、昭和の終わりから平成の初め。当時はつけペンを使ったアナログ作画が全盛で、ほかにも色々と手作り感のある手法が多くありました。

■ 原稿は基本アナログで手作り
・原稿用紙かケント紙か
・枠線はカラス口かロットリング
・墨汁か製図用インクか?
・ペン先とペン軸はこだわりどころ
・指示書きは水色の色鉛筆で
・バラエティが増えていったトーン
・ノンブルは手書きかインレタ
・個人情報が記されていた奥付
・表紙はスミ(黒)1色か多色刷り
・レインボーカラーの便せん

■ イベントや通販の文化
・サークルカットにあった連絡先欄
・通販代金は定額小為替で
・即売会のサークル参加費も定額小為替


ざっと筆者がコミケに参加し始めた当時を思い出してみましたが、印刷屋さんで最後の原稿を仕上げたり、18禁サークルさんの原稿修正を手伝ったりと、今となっては二度とないようなことも経験しました。昭和から平成、令和と時代も変わり、文字通り隔世の感ですね。

それでも同人誌文化が続く限り、まだまだ変化は続くのでしょう。順調なら25年後の2047年となる「コミックマーケット150」が開催される頃、会場や同人誌、同人グッズはどうなっているのか、想像するのも楽しそうです。

<参考>
コミックマーケット公式サイト「コミックマーケット年表」

(咲村珠樹)

写真
https://otakei.otakuma.net/wp/wp-content/uploads/2022/08/OldComiket_02.jpg

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