ニフティニュース2021年02月09日
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第一章の主人公ライアンが、ホイミスライムの「ホイミン」と初めて出会ったのは、イムルの村の近くにある古井戸だった。
この古井戸、いったい誰が作ったのかは知らないが、じつは井戸のように見えるのは地上部だけで、中は普通にダンジョンになっており、「なんだよ、ダンジョンかよ!」と、まるで落とし穴にハメられた時のような気分だった・・・・・・。

そしてライアンはこの古井戸の奥でホイミンと出会うのだが、この時のホイミンは、「ぼく、ホイミン。いまはホイミスライムだけど、にんげんになるのがゆめなんだ」とか、「ねえ、にんげんのなかまになったら、にんげんになれるかなあ・・・・・・?」とか、「ぼくをなかまにしてよっ。わーい、ありがとう!」などと、まるで少年のような口調でライアンに話しかけて来る。
そしてそれは、「第一章王宮の戦士たち」が完結するまで常に一貫していた・・・・・・。

そしてホイミンが次に登場するのは、物語が進んだ第五章になってからなのだが、じつは第五章ではなぜかホイミンはライアンとはいっしょに行動していない。
そしてホイミンはすでにホイミスライムの姿ではなく、なんと人間の姿になっているのだ。

そしてこの時のホイミンは、「ボクはホイミンというたびのものです。どうかおしろのなかのライアンさまをおたすけください」とか、「さきほどライアンさまがうれしそうにそとにでていくのをおみかけしました。ライアンさまにどうかぶじでたびをつづけられますようおつたえください。そしてホイミンがとてもかんしゃしていたと・・・・・・。では・・・・・・」と、どう考えても、少年というよりは青年のような口調へ変化しているのだ。
これはいったいどうしてなのだろう・・・・・・。

じつはこのことに関しては、ゲーム本編では一切語られていないのだが、ドラクエのキャラクターのバックストーリーを紹介している書籍、「知られざる伝説」によると、ホイミンはバトランドでの子供の失踪事件を解決後、ライアンとの旅の途中でモンスターと戦闘になり、なんと死んでしまっていたというのだ。

そしてホイミンはこの世とあの世の狭間で、あるおじいさんと出会うことになる。
おじいさんは、キングレオ城で行われている、進化の秘宝を使った人体実験の様子をホイミンに見せる。
更におじいさんは、この実験の犠牲となって死んで行った女性と、恋人の変わり果てた姿を見て、ショック死してしまったという若者の遺体をホイミンに見せてこう言ったという。
この若者の遺体には損傷がほとんどないので、その肉体にホイミンの魂を入れることで、人間にしてあげることが出来るだろうと・・・・・・。

しかし、ホイミンはおじいさんにその力があるのなら、若者とその恋人を救ってほしいと頼んだのだ。
そのホイミンの言葉を聞いたおじいさんは笑顔になり、ホイミンをなぜか雷で撃ったという。
そしてホイミンは気が付くと村の前で倒れていて、その若者の姿になっていたのだという。

そう、あのおじいさんは、じつはマスタードラゴンの仮の姿だったのだ。
ホイミンが少年からいきなり青年の口調になった理由は、どうやらこういうことだったらしい。
う〜む、ドラクエとはなんと奥の深い物語なのだろう・・・・・・。

ところで人間になったホイミンのグラフィックは、なぜか吟遊詩人なのだが、これについては小説版ドラクエWでその理由が語られている。
ホイミンは人間として生まれ変わることが出来たが、じつはおじいさん(マスタードラゴン)から永遠の命を与えられており、「導かれし者たち」の物語を後の世に伝えて行く使命があり、それに最適な吟遊詩人となったのだという・・・・・・。

話は変わるが、ホイミンの性別は「おとこ」である。
これは「つよさ」の項目を見れば、ちゃんと確認することが出来る。
しかし、それ以前にホイミンは、自分のことをずっと「ぼく」と言っていることからも、性別が「おとこ」であることは、出会った時から誰も疑うことはなかったと思う。

ところが仲間モンスターの性別がきちんと明示されているのは、なぜか「ドラクエW」の時だけで、「X」以降はなぜか性別の項目がきれいさっぱり消えて無くなってしまっているのだ。
これはいったいどうしてなのだろう。

そもそも、そのモンスターが「おとこ」であろうが、「おんな」であろうが、グラフィック上は全く変わりがないので、あえて性別を明示する必要はないということなのかもしれない。

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