2021年02月06日 11時00分 公開
コロナ感染で亡くなった祖父の葬式に代えて―― 漫画家・矢寺圭太さんがつづる追悼漫画がやるせない
お悔やみ申し上げます。
[沓澤真二,ねとらぼ]

 「祖父の葬式に代えて」――。ビッグコミックBROS.で『ぽんこつポン子』を連載中の漫画家、矢寺圭太(@yaterakeita)さんが、新型コロナウイルスに感染して亡くなった祖父への追悼を、漫画で表しました。




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死因が感染症ゆえ火葬にも立ち会えなかった、祖父のとむらいをせめて漫画で


 矢寺さんが訃報を受けたのはある日の早朝。つい2日前に、祖父が陽性だったと聞いたばかりでした。入居していた介護施設内で、クラスター感染が起きていたといいます。

 若いころは左官で、自宅も自分で建てたという祖父は、妻を亡くしたあとも子どもとの同居を断ってずっと独り暮らし。さすが元職人、手先がとても器用で、腰が“くの字”に曲がっていようとも、庭仕事などを達者にこなしていたそうです。


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祖父が矢寺さんへ残した最後の言葉


 矢寺さんが直接会えたのは、数年前が最後。祖父は2020年1月に誤嚥性肺炎で入院して以来、介護施設で暮らしていたのです。4月の緊急事態宣言で親族も会えなくなり、宣言解除後も面会に厳しい制限が。世話をしていた矢寺さんの母すらも、最後に会えたのは11月でした。

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 そうして祖父は誰にも会えないまま、年明けの2月に急逝。新型コロナウイルスの感染症で亡くなったため、施設から直接火葬場に引き渡され、誰の立ち会いも許されないまま送られていきました。


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 2度目の緊急事態宣言下で、葬儀も満足にできず地元にも帰れず、複雑な思いを巡らせる矢寺さん。「これが……コロナかあ……」と、やるせない気持ちが口をついて出てきます。


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 それでも矢寺さんは、「俺は漫画家だから漫画を描けば、祖父もたくさんの人に見送ってもらえるような気がした」と思い立ちました。母親にも供養になるだろうと快諾され、自分のエゴだとは内省しながらも、執筆を進めます。

 そして完成したこの漫画は、「あの世があるかどうか分かんないけど、もしあるんならばあちゃんと仲良く」「祖父の冥福を祈って」と、たむけの言葉で結ばれました。読者からも、多くの弔辞が寄せられています。


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作品提供:矢寺圭太(@yaterakeita)さん



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