PS版『ToHeart』本日3月25日で20周年─健気系幼なじみにメイドロボ、黒魔術な無口先輩・・・とても一人に絞れない! 不朽の名作を今遊ぶには?
魅力的な登場人物たちと出会い、コミュニケーションやドラマティックな出来事を通じて関係を深めていく恋愛ゲーム。女性向けのものは「乙女ゲー」、そして男性向けだと「ギャルゲー」と呼ばれ、昔も今も安定した人気を博しています。

その他 特集 2019.3.25 Mon 18:00

魅力的な登場人物たちと出会い、コミュニケーションやドラマティックな出来事を通じて関係を深めていく恋愛ゲーム。女性向けのものは「乙女ゲー」、そして男性向けだと「ギャルゲー」と呼ばれ、昔も今も安定した人気を博しています。

「ギャルゲー」の歩みを紐解くと、その歴史を語る上で外せないタイトルがいくつもあります。コンシューマにおける「ギャルゲー」の一大ブームを巻き起こす火付け役となった『ときめきメモリアル』や、泣きゲーの草分け的存在である『ONE 〜輝く季節へ〜』(PS版のタイトルは『輝く季節へ』)など、黎明期だけでも外せないタイトルが次々と浮かび上がります。


そして1999年にプレイステーション版がリリースされた『ToHeart』も、このジャンルの盛り上がりに大きく貢献したタイトルのひとつです。ゲームとしてのスタイルや、特徴的なキャラクター性、そして優れたシナリオなど、多くの魅力で後のギャルゲーに影響を与えました。

本日2019年3月25日に、PS版『ToHeart』発売20周年を迎えました。この記念すべきアニバーサーリーを祝い、この名作恋愛ADVを振り返ってみたいと思います。



◆PC版の移植に留まらないPS版『ToHeart』─当時の「ギャルゲー」を大きく切り開いた偉大な先人

本作の原点を遡ると、PCで発売された成年向けの作品『To Heart』がオリジナル版に当たります。PC版『To Heart』は、成年向けの恋愛ADVなので、当然18歳未満のプレイは禁止。しかし、PC版の評判も非常に高く、興味を抱いていたユーザーも少なくありませんでした。

そんな『To Heart』のコンシューマ向けの展開として登場したのが、PS版『ToHeart』です。成年向けの恋愛ゲームが、コンシューマに移植されることは、当時も少なくありません。しかし、PS版『ToHeart』は、単なる移植版に留まらない力の入れようでした。

まず、本作の主軸とも言えるシナリオ面ですが、成年向け描写の削除だけに留まらず、広範囲に及ぶ加筆修正を実施。展開や結末が変わったキャラクターもおり、PC版をプレイ済みであっても、「ファンならば遊ばないともったいない!」とも言われたほど。PC版の時点でもヒロインたちが魅力的でしたが、加筆を経て更に深堀された結果、恋愛ゲーム市場では屈指の売れ行きを記録し、二次創作に走ったファンも相当数に上りました。


PC/PS版『ToHeart』の成功は、当時のギャルゲー市場に様々な影響を与えました。本作の厳密なジャンルである「ビジュアルノベル」は、文字表示を全面に押し出しつつ、ヒロインたちのグラフィックを組み合わせたシステムです。このシステムにはいくつもの利点がありますが、UIやウィンドウなどが最小限で済むので開発のリソースを集中させやすい側面もあり、いくつもの他社が『ToHeart』を追いかけるようにビジュアルノベルに取り組みました。

また、こちらもPC版を含めた話になりますが、ヒロインの多彩さも特徴的でした。日常的な学校が舞台ながらSFやオカルト要素が色濃いキャラクターもおり、メイドロボな「マルチ(正式名称 HMX-12型)」、制御しきれない超能力に悩む「姫川琴音」、全編通してほぼ喋らない無口な黒魔術系先輩「来栖川芹香」など、いずれも印象的な存在です。

     ===== 後略 =====
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https://www.inside-games.jp/article/2019/03/25/121302.html