作者の手を離れ一人歩きゲームAIのザックリ解説

・敵や宝の置き方やゲーム難易度を緩急自在に面白くしてくれる。
・敵がチョイチョイ面白く障害物を乗り越え襲ってくる。森や景色が勝手に成長する。
・日本はお化け屋敷で賢いアルバイトが待ち伏せ演じる程度で、若手は科学を学ぶことに期待。

ページ中に図がたくさんあり、解説リンクがアッチャコッチャたくさんあるので、
クリックして読んだほうがいいです。読み応えあります。



21世紀に“洋ゲー”でゲームAIが遂げた驚異の進化史。その「敗戦」から日本のゲーム業界が再び立ち上がるには?【AI開発者・三宅陽一郎氏インタビュー】
電ファミニコゲーマー |2017年5月12日 12:30
http://news.denfaminicogamer.jp/interview/gameai_miyake

 昨年、ゲームの企画書で『バーチャファイター』などの開発者・鈴木裕氏にインタビューした際、最後にこんな言葉を投げかけられた。

掃除のおばちゃんにプレイさせて『バーチャファイター』開発。時代を先取りした鈴木裕のゲーム開発哲学 【鈴木裕氏×『鉄拳』原田勝弘氏】

鈴木裕氏:
 ただ、そうね……僕は全盛期に世界のトップシェアを取っていた日本が、こんなふうに海外に負けてしまったことが、やっぱり悔しいんですよ。だって、セガが全盛期の頃、僕たちは圧倒的な世界一のゲーム大国だったんです。(中略)ちゃんと新しい武器を製造しないとダメです。だって、良い武器があったら、色々なツールを工夫したりして、少人数でも勝てるんですよ。
 そんな鈴木裕氏がインタビュー中、非常に強い興味を持って語っていたのがAI技術だった。そして先にズバリ言ってしまうと、この記事は、日本のゲーム産業が21世紀に世界市場で存在感を失い、今や新興国の国々までもが背後に迫ってきたシビアな状況に、実は「AI技術の軽視」という問題が一つあるのでは――という視点から強く光を当てるものだ。例えば、しばしば日本のゲーム業界の「敗因」として、グラフィックの人材不足や大規模マネジメントの失敗などの問題が挙げられる。だが、本稿でまさに語られるように、実は3D空間のゲームはスクリプトで素朴に動かすには限界があり、AIの導入は絶対に必要だったのだ。

 このインタビューでは、大手ゲーム会社で第一線のエンジニアとして働きながら、日本デジタルゲーム学会理事を務め、さらには『人工知能のための哲学塾』や数々のAIの啓蒙書を執筆してきた、AI開発者・三宅陽一郎氏を迎えた。そこで語られたのは、21世紀に「海の向こう」で驚異の進化を遂げてきた、ゲームAIの歴史だ。それは同時に、日本のゲーム産業が3Dゲームの発展の中で、世界市場の「蚊帳の外」に追いやられていく十数年の歴史でもある。
 90年代、日本のゲームクリエイターは、素晴らしい職人芸と独創的なゲームデザインで、世界のゲーム市場を魅了していた。そこに21世紀、欧米のゲーム開発者たちは「サイエンス」の力でいかに挑み、ついには桁違いの巨大産業へ育て上げたのか――まずは、彼らの成し遂げた、そのイノベーションの歴史を見ていくことから始めよう。

聞き手/TAITAI・稲葉ほたて
文/稲葉ほたて・高橋ミレイ