死者をバカにしてるわけではないよ。
俺が言いたいのは、ヒロイズムを安易に賛美することがかえって命を軽いものにしたり、無駄死にを増やしている事実。

日本人が大好きな「お国のため」というのは、自己犠牲を美しいことにしてしまう。
その結果が、日本人の命の軽視。
その軽視が現れる部分が、零戦の装甲の薄さだったりあらゆる作戦の兵站無視。

日本人が自分の命を大切にする民族だったら、マッチや七面鳥と言われた簡単に火を吹く戦闘機は作らないし、補給を無視した太平洋戦争の戦死原因の殆んどを占めた餓死や病死は生じなかった。

自己犠牲の賛美は、お上が現場人員をこき使うのに最適な口実を与える。
日本人のブラック体質そのままじゃないか。
また、日本人は自分の命を大切にしないから戦う相手の命も大切にしない。
日本人は、捕虜に対する非人道的な扱いで糾弾されてもいる。

アメリカ創価大学の羽吹の愛読書は塩狩峠で、学生にも薦めていた。
キリスト教徒の主人公が、自分の体を使って自分の命と引き換えに暴走する汽車を止める話。

話としては美しいが、こういったイデオロギーを権力者は国民に植え付ける。
若年兵士達は出陣する時は「お国のため」と宣言したが、死ぬときは「お母ちゃん」。
若年兵士は、権力からプライドやメンツを利用される。
兵士は自分の威厳を保つ為に勇んで出陣したはいいが、最終的にはお母ちゃんだ。

若者に教えたいことは、安直なプライドは捨てて、権威やイデオロギーに対しても、嫌なことは嫌、ダメなことはダメと言える勇気。