聖フランチェスコと日蓮 
生存期間は四年の交わりだが、同じ時代の人物である。聖フランチェスコは日蓮に言わせれば、外道の人であり悪師であり死後は地獄に堕ちた人である。

 だが『聖フランチェスコの小さな花』『アッシジのフランチェスコと自然』を読むと、聖フランチェスコは悪師でもなく死後は日蓮の言うところの霊山浄土に住む聖人である。

 聖フランチェスコは自ら清貧を貫き、受けた施しを貧しき人々に贈り、日蓮の嫌った癩病患者を癒した人である。

 日蓮は自らの身で貧民救済はしていないようである。これは南無妙法蓮華経を弘めないと救済とはならないとの考えのようだが、そうだとしても、先ずは救急処置を施さなければ助かる命も助からない。

 救急処置を施して、その人の命を繋げれば南無妙法蓮華経を信じる可能性はある。救急処置を施されることなく死んでしまえば、その人は南無妙法蓮華経を信じることは出来ない。