ドリス「そうじゃない…。
だってワタシ…。ヒトをコロしちゃった…。」
学長「ドリスよ、君は優しい子だ。」
ヴェーネ「でもドリス。貴女は何も悪くないのよ。
彼らは言ってみれば、ダイナマイトに勝手に火の粉を降り掛けて、
そして勝手に自爆して死んだだけ。
貴女は誰も殺してはいない。」
ドリス「なんか、ウソってぽい…。」
学長「嘘ではないとも。
この世には踏み込んではならぬ領域が存在し、
其処に踏み込んだ彼らに罰が下された。
幾らその行為が“若気の至り”で在ろうと、
それは免罪符を意味しないのだからな。
そして君は偶然に、彼らに罰を与える執行者として選ばれた。
それだけの事だ。」
ドリス「でもコロすコトなんか…。」
ヴェーネ「良いのよ、ドリス。
あんなテロリズムの糞餓鬼が数名死んだ所で、
然したる損失ではないわ。
貴女は一切の罪を問われず、今後その力の行使を憚る必要も無い。
全ては既に過ぎ去り、終わった事。
此処からは気持ちを新たに、
今までと何も変わらぬ日々を始めるのよ。
分かった?」
ドリス「………。」