「三木のナイアガラは黒滝だけじゃない」−。兵庫県三木市で滝といえば吉川町の黒滝が有名だが、久留美大橋(三木市府内町)の南北にも、地元住民が胸を張る滝がある。落差こそ「本家」には及ばないが、幅は北が約70メートル、南が約30メートルと壮観だ。特に南側は滝の間近まで迫ることができ、しぶきとごう音を楽しめる。(大橋凜太郎)
 「ナイアガラ」と声高らかに宣言するのは、滝がある美嚢川沿いで野菜を育てる横谷義春さん(76)=三木市=だ。橋から観賞できる北側の滝はよく知られるが、横谷さんは7月上旬、やぶに遮られた南側の滝を偶然発見。しぶきと荒々しい岩肌が織りなす自然美に心を奪われた。観賞できるようにやぶを払い、石を並べて足場を造った。
 上流には、川の水位を調整する設備「六ケ井堰(せき)」があり、季節や天候によって水の流れは異なるという。子どもの頃、北側の滝付近には水泳や釣りに訪れていたという横谷さんだが、南側の滝には気付いたことがなかった。
 横谷さんが滝を確認した7月上旬は、豪雨に合わせてダムの放流が複数回あった。横谷さんは「ダムの放流が重なって水量が増えた後、時間の経過で滝を観賞するのに適した水量になったのでは」と推測する。農繁期が終わると水の勢いが衰えるため、「ナイアガラ」が見られるのは長くても9月ごろまでという。
 “発見”に胸を躍らせ、スロープや立て看板も手作りした横谷さん。「北と南を合わせて『親子滝』と呼んでアピールするのはどうだろうか」と声を弾ませている。

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神戸新聞 2020年08月07日
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