2019年12月12日

高島昌俊

―[シリーズ・駅]―
 出張や旅行などで誰もが一度は利用したことのある新幹線。近距離の乗車でも新幹線用の特急料金がかかるので決して安くはないが、片道たった300円で乗車できる区間があるのをご存知だろうか?

 それは九州の「博多駅〜博多南駅」の8.5キロ。そこで今回、筆者がこの激安区間の新幹線に乗車。その様子をレポートする。



新幹線であって新幹線じゃない?

 やって来たのは博多駅。300円であることは事前に何度も調べて確認済みとはいえ、こんな値段で本当に乗れてしまうのか不安になってしまう。  なぜなら東海道新幹線の「東京駅〜品川駅」(6.8キロ)は1070円、東北・上越・北陸新幹線の「東京駅〜上野駅」(3.6キロ)は1040円と、博多駅〜博多南駅よりも距離が短いのに料金が高いからだ。

 だが、そんな不安をよそに、新幹線改札口近くの自動券売機であっさり切符が購入できてしまった。300円の内訳は、運賃が200円で特急券が100円。それぞれ別に発券されたが、いずれも新幹線バージョンの大きなものではく近距離用の小さな切符だ。

 改札口の出発列車の電光掲示板には、博多南駅行き列車の時刻が表示されているが、ほかの新幹線と違って『のぞみ』や『ひかり』などの列車名の表示はない。

 なぜなら博多駅〜博多南駅間が「博多南線」という在来線になっているため。車両はどこからどう見ても新幹線だが、厳密には在来線の特急列車(※しかも、名称はなし)という扱いらしい。  
これは、博多南駅が新幹線の車両基地になっている博多総合車両所にあることが関係している。もともとこの周辺には鉄道駅がなく通勤や通学に不便で、国鉄時代から地元住民の強い要望があり、1990年に博多南駅を開業。それまで回送列車だった新幹線の一部を旅客列車として運行させたのだ。  
ただし、「全国新幹線鉄道整備法」という法律における新幹線の定義から外れるために在来線として届出。それで認可されたため、車両や線路は新幹線だが、建前上は新幹線ではないというわけだ。



ズラーッと並ぶ新幹線を間近に眺めることができる
     ===== 後略 =====
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