2018年5月18日 13時02分
(写真)
ブナの開花状況などクマに関連する情報を共有する出席者(大野市で)


 出没が懸念されるツキノワグマを巡って、福井県大野市の対策連絡会が17日、市内で開かれ、県や市、警察、消防、猟友会の関係者が、今年の傾向や対策などについて話し合った。

 県自然環境課のまとめでは、2017年4〜8月の出没件数は283件で、04年度以降では最多。
大野市内でも同時期に15件の情報が寄せられた。県内では4年周期で秋を中心に大量出没する傾向があり、今年は「当たり年」に相当するという。

 会合では各機関が調査や警戒の状況を報告。県の担当者は▽6月以降に活動が活発になる▽主食になるブナ科などの木の実の作柄を注視している
▽隣接する石川県とも白山周辺での調査といった情報を共有している――ことを紹介した。市は目撃情報の収集や巡回、捕獲の手順を周知した。

 県猟友会大野支部の野尻辰雄支部長は、4月に付近の山中で県内の猟師の研修を行い、その際104頭の目撃例があったと報告。
今年は大量出没の可能性が高いと指摘し、「人里や町まで出てくれば、捕獲などでは食い止められない」として、連携と対策強化を求めた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20180518-OYT1T50067.html