2018年5月13日 19時06分
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貼り紙への反響に驚き、感謝するシンさん(浜田市)


 火曜日を定休日にしてもダイジョーブですか――。


 昨年末の開店以来、無休で営業してきた島根県浜田市のカレー店のインド人シェフが、店の玄関に掲示した手書きの貼り紙が、インターネット上で話題になっている。客に休みの設定を問う一方で、
「休むタイミングがわからなくなった」と謙虚に告白する内容は4月にツイッターに投稿され、瞬く間に拡散。「ゆっくり休んで」などと数多くの好意的なメッセージが寄せられている。

 貼り紙をしたのは、同市竹迫町の持ち帰り専門の「ナマステカレー」シェフ、スケーシュ・シンさん(37)。来日して約10年間で東京や栃木などの専門店で、香辛料の利いたカレーの調理経験を積み、
浜田市内で昨年12月20日、定休日を決めないまま仮開店。年明けには正式営業を始め、「家族への仕送りのため、稼がないと」と単身赴任で休みなく働いた。

 一方で「日本語を勉強する時間がほしい」「休みを言い出していいものか」などと悩み、オーナーで併設のバー経営北村裕作さん(52)に相談したところ、
定休日を設ける是非を、貼り紙で客に問うことを提案された。「貼り紙も一つのラブレター。思いを素直に書こう」との北村さんのアドバイスに、2時間をかけて書き上げた。

 店舗は県立大浜田キャンパスなどに近く、なじみ客も増えつつあった時期。2月下旬の掲示後、客からは「いいよ休めば」や「ユーモラスで面白い」と好意的な反応が寄せられた。売り上げなどを考慮して、
火曜を正式に定休日に決め、4月下旬にツイッターに投稿されると、たどたどしい文字や率直な気持ちを吐露する内容に、「なんかもうプラス要素しかない」などと一気に共感のリツイートが相次いだ。

 リツイートは11日夕現在で11万8808件。シンさんは休日は勉強や買い物、温泉に入浴するなどして過ごしており、「(反響には)びっくりした。日本人はみんな優しい。
安心して休めています」と喜ぶ。北村さんは「しんどくても、しんどいと言えない人の多さが、ツイッターの反応に表れているのかも」と話している。

 カレーはナンとセットで500円。営業は午前11時〜午後2時半、同5〜9時。(岡信雄)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180512-OYT1T50153.html
(左)「火曜日を定休日にしたい」と問う貼り紙(右)貼り紙への反響に驚き、感謝するシンさん(浜田市で)