2018年04月11日 17時22分
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標津サーモン科学館の学芸員らが雌の下腹部をしごいて卵を出す


 国内最大級の淡水魚で絶滅危惧種のイトウが春の繁殖期を迎え、北海道標津町の標津サーモン科学館では、人工授精作業が行われている。

 根室地方の河川のイトウは近年激減しており、同館が保全に取り組んでいる。

 市村政樹館長や学芸員らが、体長70センチのイトウを麻酔液の水槽に入れて動きを鈍らせてから、雌の下腹部を丁寧にしごき、ザルに卵を出す。
その後、赤い婚姻色を示す雄をしごいて、上から精子をかける。この作業は5月上旬まで行われる。

 市村館長によると、イトウは20年近く寿命があり、雄が縄張りを築いて、繁殖行動を行うのが特徴。

 今回、人工授精を行ったイトウが生息していた河川では環境悪化が激しく、稚魚を放流できる状態にないため、当面、同館で飼育していくという。

2018年04月11日 17時22分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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