トークショーでは、麻倉ケイトさん(右)と学生が性や人権について意見を述べ合った=堺市中区
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 LGBTなど性的マイノリティーに関する問題について、若年層の意識を高める大阪府主催の啓発イベントが17日、堺市中区の大阪府立大で開かれた。心と体の性の不一致の悩みを乗り越えた歌手で女優の麻倉ケイトさんと学生によるトークショーがあり、性の多様性などについて活発な意見を交わした。

 府は、若年層に向けた人権啓発を呼びかけるテーブルステッカーを作製し、府内の大学に配布する取り組みを行っている。今回のイベントはその一環で、昨年12月に開催された近畿大に続いて2回目となる。

 同大は昨年、性的指向や性自認を理由とする差別や偏見をなくすためのガイドラインを制定し、環境づくりを進めている。トークショーには、性の問題に関心の高い同大の学生たちが結成した「フダイバーシティプロジェクト」のメンバー2人が参加した。

 学生らの質問に対して、麻倉さんは自らの体験談を例に挙げ「当時は相談できる環境や知識がなかったので、自分で自分がわからなくなってつらかった」などと説明。さらには、最も大きな課題とされる「トイレ問題」についても活発に意見交換した。

 トークショーを見た小西純(すみ)果(か)さん(21)は「性の多様性のある人々が、生きやすい社会へという考え方を共有できた」とコメント。トークに参加した鈴木円(まど)香(か)さん(23)は「もっとわかりやすい言葉で話せたらよかった。大学側の理解もあるので『こうなればいいな』から『こうしよう』と思えるようになった」と今後の活動にもやる気を見せていた。

産経新聞 2018.1.18 09:06
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