日本遺産認定申請の資料の一つ「長浜城下町復元図」(長浜城歴史博物館提供)
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認定に向けた活動について話し合う市民グループの発起人ら(長浜市三ツ矢元町)
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 滋賀県長浜市は、豊臣秀吉が開いた市中心部の街並みについて「近世城下町のルーツ」と位置付け「秀吉が造ったコンパクトシティ・長浜城下町」として日本遺産への登録を目指すことを決めた。2018年度分認定を視野に、1月下旬に文化庁へ申請する。実現に向け、市民と連携して機運を高めるとしている。

 日本遺産は各地の伝統文化などを観光資源として活用する趣旨で2015年から登録が始まった。地域の特色を「ストーリー」としてアピールすることが要件となる。

 市は、16世紀後半に秀吉が築いた長浜城の城下町として形成された中心部の街並みについて、毎年4月に催される「長浜曳山(ひきやま)まつり」の曳山13基を収蔵する山蔵が点在することに着目。「正方形にコンパクトにまとまった城下町で、町衆が育てた曳山まつりなど伝統文化の息吹を体感できる」とストーリーをアピールしていく。

 市は昨年1月、「国内最古級の城下町」をテーマに申請したが、落選した。再挑戦となる今回は「長浜らしさをストーリーの前面に打ち出した」(市民協働部次長の太田浩司学芸員)としている。

 認定への機運を市とともに高める市民グループも1月末に発足する予定で、発起人代表の雑貨販売業渡辺浩之さん(40)=同市平方町=は「多くの市民が参加できる勉強会を開き、城下町・長浜の価値観を共有したい」と話す。

 日本遺産は滋賀県内では「琵琶湖とその水辺景観」(県、大津市など7市)など3件が認定されている。

京都新聞 2018年01月08日 09時21分
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