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メルシーのラーメン
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■大学グルメ・早稲田大学

 都の西北こと早稲田大学の早稲田キャンパス(東京都新宿区)から徒歩5分。地下鉄早稲田駅までの通学路に、早大生をとりこにするラーメン屋があります。
軒にかかる看板に軽食&ラーメン「メルシー」の文字。店頭のガラスケースには商品サンプルという昭和テイストな見た目。その古くさい感じそのままに煮干しダシのしょうゆラーメンは、素朴な味そのものです。そして、1杯400円という安さ。
卒業後に食べに来るOB・OGも多く、まさに早大生のソウルフードといえます。かくいう記者(37)も学生時代、週2〜3回は食べていました。就職して地方転勤する前夜、東京での「最後の晩餐(ばんさん)」としてメルシーのラーメンを選んだほど好きです。先日、久しぶりに再訪しました。

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■シンプル・イズ・ベスト
 店内はテーブルにパイプいす、スポーツ新聞に雑誌、壁に文字だけのメニュー表、高い天井と蛍光灯の明かり。まさに学生街のラーメン屋さんです。
「いらっしゃーい」と、店員のお母さんがお水を出してくれます。ちなみにお水は2杯目からはセルフでくむ決まりです。

 「ラー大、濃いカタで」

 このように「ラーメン大盛り、味濃いめ、麺硬め」を略して頼むのが、メルシー通とされます。他にもネギを多めにしてもらう「ネギ増し」も。
学生時代と違っておなか周りが気になる記者は、味が濃いめだとライスが欲しくなるため「ラー大、麺カタ」で注文しました。

 待つこと5分。「お待ちー。ラー大、麺カタねー」

 来た来たー。焦げ茶色に輝くスープに、中太のストレート麺。湯気に煮干しダシの香ばしさが漂います。具は、チャーシューが一切れと炒めたもやしとたまねぎ、コーン、ネギのラインナップ。昔から変わりません。

 ズルズルズルー。「んー、シンプル・イズ・ベスト」。食べた瞬間、思いつくのはこの言葉。
スープをしっかり絡ませた麺を口に入れると、ちょっと濃いめの煮干ししょうゆのしょっぱさの後に、豚骨と鶏ガラの甘いコクがほのかに、うっすらと追いかけてきます。麺をかむと炭水化物の甘さが広がり、スープのしょっぱさといい具合に融合していきます。

 以上、それだけ。まさに、シンプル・イズ・ベスト。しょっぱさと甘さの連続に、邪魔するものが何もないから、ズルズルズルズル、箸が止まらなくなります。これが中毒性なのかなあ、と感じます。

 半分くらい食べたら、こしょうをひと振り、ラー油を大さじ1杯かけて食べます。そうするとしょっぱさのエッジが立って、「焦がししょうゆ味」のような風味に変わります。
ほかにも、酢を2〜3周分入れたり、ラー油をドボドボ入れたり。楽しみ方は千差万別。それぞれの好みで楽しむのがメルシー通のスタイルです。

>>2以降につづく


メルシーのラーメン、「中毒」になる味 早大生とりこに
朝日新聞:2017年12月25日11時37分