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立ったまま法話を行う瀬戸内寂聴さん。軽妙で滋味豊かな話に頻繁に笑いが起きる(6月18日、京都市右京区・寂庵)


 作家の瀬戸内寂聴さん(95)が30年以上にわたってほぼ毎月、法話の会を京都で続けている。体調を崩すなどして休んでも必ず再開し、病気や人間関係に悩む人々に語りかけ、身の上相談に真摯(しんし)な姿勢で答えてきた。苦しい時でも明るく、自立して生きる瀬戸内さんの姿に励まされた人は多く、法話の人気ぶりは衰える様子はない。

■毎月開催、倍率7倍の人気

 京都市右京区の寂庵。今年6月の法話の会は、イギリスや鹿児島など国内外から訪れた150人で埋まった。約7倍の抽選で選ばれた参加者は中高年の女性が中心で、20代の女性や男性の姿も交じる。袈裟(けさ)姿の瀬戸内さんが登場すると、拍手と大歓声が起きた。

 瀬戸内さんが出家したのは1973年、51歳の時。翌年、嵯峨に寂庵を結ぶと、「悩みを聞いてほしい」と訪ねる人が絶えず、地面にござを敷いて対話した。それを知った姉の艶さんから「お堂を建てたほうがいい」と勧められ、85年に境内に「嵯峨野僧伽(さんが)」を建立して法話を開始。87年に岩手県の天台寺で住職(現・名誉住職)に就いたのを機に同寺でも始めた。

 京都、岩手とも平日に開いていたが、95年の地下鉄サリン事件に宗教へ救いを求めた若者が多数関与していたことを知ると、若い人たちが来やすい日曜日に変更した。参加希望者が増加するにつれ、寂庵では収容できないようになり、京都アスニー(中京区)で1日2回行ったことも。それでも対応しきれず2000年にやめたが、法話を求める声が相次ぎ、翌年再開した。

      ===== 後略 =====
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【 2017年07月17日 23時00分 】