兵庫県豊岡市にある巨大廃虚が、年内に解体されることが3日、分かった。
建設途中の昭和60年に欠陥工事発覚後、放置されたホテル跡で、全国の“廃虚マニア”には知られた存在。

バブル期に起きた巨額詐欺の豊田商事事件の関連物件ではないか−という「都市伝説」もささやかれ、
30年以上野ざらし状態だった。
すでに解体工事は始まっており、更地にされた後、新たな買い手に引き渡される。

この廃虚は城崎温泉に近い円山川沿いにある。
赤煉瓦(れんが)の外観で、外壁には落書きがされ、雑草が周囲に伸び放題になっていた。

県内の不動産会社が約1万平方メートルもある広大な敷地にホテル建設を計画。
鉄筋コンクリート地上4階、地下1階建て、93室を備え、マリーナやプールもあるリゾートホテルになるはずだった。
ところが、着工から1年後の60年に欠陥工事が発覚して頓挫。

その後、固定資産税などの滞納で同市が差し押さえ、2年前に公売にかけられた。
計画当時は総工費26億円とされるが、わずか1万円で売却された。

実は廃虚マニアには有名な場所で、インターネットでも話題になることが少なくない。
というのも、豊田商事(倒産)が所有していたと噂されたいわく付きの物件だったからだ。
高齢者を狙った詐欺商法が社会問題化し、会長が刺殺された事件(60年)と工事頓挫がほぼ同時期だった上、
事件との関連を思わせるテレビドラマの舞台になったことから、「都市伝説」が独り歩きした。

実際は登記にその名はなく、地元住民も「豊田商事とは全く関係ない」と話す。

購入した市内の所有者によると、
城崎温泉を旅行する中国などからの訪日客の利用を見込んで、当初は中国人富裕層が買収に興味を示した。
だが、最終的に売却先は「大阪市内のホテル関係の会社」となり、
解体後更地にして引き渡すことで、今年に入って話がまとまったという。

解体工事は5月から開始。
10月中には終わり、廃虚は姿を消す。

写真:30年以上放置されていた巨大廃虚
http://www.sankei.com/images/news/170603/wst1706030061-p1.jpg

以下ソース:産経west 2017.6.3 13:33
http://www.sankei.com/west/news/170603/wst1706030061-n1.html