そろそろアイスクリームが恋しい季節。
これまでの常識を覆す、「溶けないアイス」や「やけどしそうなほど熱いソフトクリーム」が生まれている。
1世帯当たりのアイスクリーム・シャーベット支出が都道府県庁所在市・政令指定都市トップの金沢市が開発の舞台だ。

金沢の観光地、ひがし茶屋街のアイス店「金座和アイス」。
4月、「溶けないアイス」が発売された。
気温40度の部屋に3時間置いても溶けず、ドライヤーの熱風を当てても崩れない。

開発したのは金沢大の太田富久名誉教授。
運営するベンチャー企業「バイオセラピー開発研究センター」によると、
イチゴから抽出したポリフェノールがアイスの水分と油の結び付きを強めて形を保つという。
2014年に製法特許を取得した。

見た目や食感は普通のアイスと変わらない。
抹茶味にトライした東京都西東京市の大学生川中風果さん(19)は
「何だろうと思ったけど、思ったより普通のアイスだった」。

販売戦略は「味よりも形で勝負」。
同社代表取締役の豊田剛史さん(40)は
「崩れずにキャラクターなどさまざまな形にできるため、SNSで見栄えがするアイスが作れる」と胸を張る。
食べ歩きやスポーツ観戦に向き、「停電が多い途上国でも提供できる」と話す。

金沢市の食品加工開発会社「日本海藻食品研究所」会長の白石良蔵さん(71)は、
少なくとも80度まで温度を上げられるソフトクリーム「ホットクリーム」を開発した。
冷たいソフトとは違うものを、と10年にわたり研究。
米粉の粘り気を生かし、熱くても形を保てるソフトを完成させた。

甘みは十分、舌触りはねっとり。
放置すると硬くなるが、レンジで温めると元に戻り、保存も利くという。

一般販売はしておらず、素材を提供して新たな食品開発に結び付けたい考え。
既に国内の菓子メーカーや中国の飲食店から引き合いがある。
白石さんは「夏は冷たい、冬は熱いソフトが食べられるようになる」と期待を膨らませる。

写真:「金座和アイス」で販売されている「溶けないアイス」。気温40度の部屋に3時間置いても崩れない
http://www.jiji.com/news/kiji_photos/0170603at01_p.jpg
写真:日本海藻食品研究所が開発した熱いソフトクリーム「ホットクリーム」。温度計は62.5度を示している
http://www.jiji.com/news/kiji_photos/0170603at02_p.jpg

以下ソース:時事通信 2017/06/03-05:46
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017060300177&;g=soc