0001朝一から閉店までφ ★
2017/05/15(月) 21:51:38.46ID:CAP_USERhttp://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20170515000145
京都府福知山市を「肉のまち」に−。大橋一夫市長が昨夏の市長選で、牛肉やジビエ(野生鳥獣肉)といった食肉をまちの売りとして発信する公約を打ち出したが、具体策はまだ見えてこない。
市はこの8年、「お城とスイーツのまち」を掲げてきただけに唐突とも思える構想だが、市内には焼き肉店も多い。肉を巡るまちの今昔や課題を探った。
「スイーツに加え、観光で長く滞在してもらうには食べ物が必要だ。福知山のお肉はコストパフォーマンスが良く、おいしい。牛市場の歴史もある」。4月の会見で大橋市長は着想理由を話した。
明治時代から続く市営家畜市場が同市牧にある。畜産農家の減少や食肉流通ルートの変化などで2000年以降、牛の売買はないが、1975年までは中心市街地の天田にあり、
西日本の「三大家畜市場」に数えられた。近くの上野行己さん(79)によると、40〜50年代は家畜商らが泊まる旅館が並び、市の日には多くの人が行き交い、にぎわった。
近隣や兵庫県などの成牛や小牛などが取引され、全国に出荷された。最盛期の58年の売買頭数は1万6千頭、71年には取引額が最多の17億円に達した。
肉の食文化も古くからある。1905年創業の精肉店「中島本店」(同市東長)。備長炭を使う焼き豚で有名だが、3代目の中島泰造さん(67)は「神戸の精肉店で修業した祖父が開業した。
60年前まではすき焼きを出していた。陸軍の御用達だった」と説明。福知山には明治から旧陸軍歩兵第20連隊が置かれ、今も自衛隊駐屯地があり、食肉文化を支えた一面があるという。
国の経済センサス(2014年)では、市内の焼き肉店は18軒で、人口10万人あたりに換算すると、22・8軒。都道府県別に見て全国3位の鳥取県(22・65軒)を上回る。
福知山駅近くの創業43年目の「やきにく亭かどや」(駅南町)。夫婦で店を開いた梅田いね子さん(69)によると、創業時、同業店は数軒だったが、長田野工業団地や福知山駅周辺の開発もあり、「まちの発展とともに増えた」。
駅北側の駅正面通商店街の活性化を担う会社「福知山フロント」は3月、空き店舗に焼き肉店を誘致した。秋山保彦社長(72)は「和牛はアジアでも人気で、観光客も呼べるのでは」と語る。
昨年度の寄付が1億円を突破した市への「ふるさと納税」も牛肉が原動力。納税者への返礼品は牛肉関連品が約6800件で6割を占めた。同市下佐々木で「奥丹波みたけ牛」を育て、熟成肉やロース肉などの出荷を担う
「谷牧場」の谷敦司社長(57)は「丹波産は名高く、需要の多さに驚いた」と言い、牧場を改装して増産を目指す。牛肉に加え、市内には京地鶏やシカ肉を出荷する業者もいる。
ただ、市の構想が「熟成」した節はない。市内のある焼き肉店主は「市がどう進めたいのか伝わってこない。ブランド牛をつくるとか、早くビジョンを示して」と注文する。市は、10月に地元のさまざまな肉店が集うイベントを計画中というが、
各地で同様の催しがあり、「独自色の出し方が課題」(まちづくり観光課)と話す。市民と連携し、まちの新たな看板として広められるか。2年目に入る大橋市政の発信力が問われる。
【 2017年05月15日 21時30分 】