鈴木優香2023年11月12日 13時00分

 福岡県内で空き巣を繰り返したとして、住居侵入や窃盗などの罪に問われた元会社員の女(63)の判決が7日、福岡地裁であり、懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が言い渡された。
判決では、女は2020年3月ごろから3年間で約40件の空き巣行為を行ったとされたが、同居する姉は気づいていなかったという。

 女は姉と2人暮らし。女は会社員として月約15万円の収入があったが、化粧品や服のオンラインショッピングをやめられず、
飼い猫2匹と地域猫の餌代もかさんでいたという。月約8万円の年金暮らしの姉に頼ろうとせず、自身の空き巣行為も姉に秘密にしていた。

 姉に知られないために利用したのが、風呂好きの姉が毎晩1時間かける「長風呂タイム」だった。姉が風呂に入ると、ガスバーナーとマイナスドライバーを持ってこっそり外出。
あらかじめ目をつけていた空き家や、夜になっても明かりがつかず布団が干しっぱなしの家に入り、貴重品などを盗んでいたという。姉が風呂から上がる前には帰宅していた。

 時間が限られるため、被害に遭った家は自宅の徒歩圏内に集中した。それでも3年間は見つからなかったものの、
今年3月に自宅近くの空き家に入ろうとした際、警備会社の警報装置が鳴り、防犯カメラに映ったことで逮捕につながった。

 公判で女は、空き巣で稼いだ総額を約400万円と語った。判決では、「職業的犯行」「計画的かつ手慣れた態様」と常習性を指摘された一方、「前科がない」などとして執行猶予がついた。(鈴木優香)

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