「ライトを消せば警察に見つかりづらい」 時速110キロ超えで信号無視の車に奪われた17歳の命 “危険運転致死”に問われた“特定少年”【裁判ルポ前編】
国内
2023年7月29日(土) 07:00

2022年7月、名古屋市中川区で赤信号を無視して交差点に進入し、
17歳の男子専門学校生をはねて死亡させたとして危険運転致死の罪に問われた特定少年(事故当時18)の裁判ルポを前後編に分けて掲載する。 (前編・後編のうちの前編)

名古屋地裁9階の第902号法廷。
6月27日、48席の傍聴席は午前10時の開廷を前にすでに満席になっていた。

傍聴人たちの視線の先にいたのは、19歳の男。
起訴状などによると、2022年7月、名古屋市中川区で赤信号を無視して時速112キロから114キロで交差点に進入し、
自転車で青信号の横断歩道を渡っていた17歳の男子専門学校生を乗用車ではねて死亡させた「危険運転致死」の罪に問われている。

事故当時、男は18歳。改正少年法で言うところの「特定少年」であり、今回は危険運転致死という重大な結果を鑑みて、
名古屋地検は男の実名公表に踏み切った。東海3県では初のことである。

初公判に現れた男は髪を刈り上げ、白のワイシャツにスーツ姿。

起訴状が読み上げられた後、裁判長から間違いがあるかと問われると「結果として赤色灯火を表示している交差点に高速度で進入し、
横断中の人を亡くならせたことは事実ですが、意に介することなく赤信号を無視したわけでもなく、
その速度で進行しようと加速したわけでもない」と起訴内容を否認した。

弁護側は「危険運転致死罪」の成立を争う方針を示した。

「危険運転致死罪」とは“危険な自動車の運転によって、人を死亡させた場合に成立する罪”で、
今回は「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」にあたるとされている。

「赤信号を殊更に無視」とは、
(1)赤信号と認識していたうえで無視をする
(2)たとえ信号が何色であったとしても意に介さず無視をする
ことを意味する。

以下ソース
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/617286?display=1