0001◆hEpW0nDspK9l 武者小路バヌアツ ★
2022/10/31(月) 07:07:33.169全国に9697か所。
各地の川に架けられた管理者がはっきりしない橋の数です。
許可を得ずに勝手に架けられた“勝手橋”。
木製の簡易なものから、コンクリート製の頑丈な橋までその種類も様々。
買い物や通学にと、地元の人たちの生活に欠かせないものもある一方で、浸水被害や事故が実際に起きていて、安全性を不安視する声も聞かれます。
この“勝手橋”の実態に迫りました。
(光成壮、松原圭佑)
生活に欠かせない“みんなの橋”
紫式部ゆかりの寺として知られる大津市の石山寺。
そこから700メートルほど離れた住宅地にその橋はありました。
多羅川に架かる長さおよそ10メートルのコンクリート製の橋。
幅は人が1人通れるほどしかありませんが、落下を防ぐための金属の欄干もあります。
近くのスーパーと川の反対側にある住宅地を最短距離で結んでいます。
取材した日も、スーパーの客や、散歩をする人、近くの小学校の児童たちが頻繁に通っていました。
近所の人に話を聞いてみると…
「買い物行くのに使います。ここは“みんなの橋”という感じで、大きくはないのでちょっと1人が通ったら、こっちで待っといてみたいな」
「マーケット行ったり、お散歩したりしているときは、この橋を渡るのが1番便利ですね。ここの近所の人はみんな使ってらっしゃると思いますけどね」
地元の人たちの生活には欠かせない橋のようでした。
誰が? いつ? 詳しい事情が分からない
しかし、川を管理する滋賀県によりますと、この橋は正式な許可を受けた記録が残っておらず、誰がいつ架けたか分からない“勝手橋”だというのです。
橋の名前もありません。
管理者も明確ではなく、補修などの維持管理も長期間されていないとみられます。
一見、頑丈そうに見えますが、欄干やネジがさび付いていました。
この橋はいつごろ架けられたのでしょうか。
長年、この地域に住んでいる人たちに聞いてみました。
「40年前にここへ来た時からもうありました」
「40年ほど前に川が広くなった時に橋を架けたみたい。その時の書類が無いみたいで、当時の自治会長や知っている人は亡くなっているからよく分からない」
架けられてから40年ほど経っているという情報は得られたものの、いつ、誰が設置したものかは、やはり分かりませんでした。
全国に約1万か所 管理者不明の橋
こうした、管理者がはっきりしない橋は全国に9697か所あることが国土交通省の調査で明らかになりました。
国土交通省や各自治体によりますと、最も多いのが滋賀県で2138か所、次いで、兵庫県が1767か所、三重県が1079か所となっています。
滋賀県では、県が管理する河川に架かる橋の、実に4分の1にあたるということです。
調査中や「ゼロ」としている自治体もあり、実際はさらに多くあるとみられます。
国土交通省の調査でも、58の自治体に調査を依頼しましたが、返答があったのは31自治体でした。
国や自治体は、管理者不明の橋があることは安全上問題だとして、把握に務めていますが、全容把握は難しいようです。
安全性に課題 浸水被害や事故も
こうした橋の中には、点検や補修などの維持管理がされずに放置されている所もあり、安全性にも課題が残ります。
静岡県松崎町によりますと、ことし8月14日の台風8号による豪雨で、太田川に架かる“勝手橋”に流木やゴミが引っかかって水をせき止めたため川の水があふれて、周囲の旅館や住宅の浸水被害の一因になったということです。
さらにこの下流にも別の“勝手橋”が2本あり、このとき1本は残りましたが、もう1本は流出しました。
これらの橋は幅が1メートルほどの簡易な木製の橋で、台風のあと、残った橋は地域の人たちによって撤去されたということです。
一方、滋賀県では、2013年に草津市の“勝手橋”で橋の路面のすき間に自転車の前輪が挟まるという事故もありました。
現在、この橋は草津市が管理していて、転落を防ぐ柵が設置されたほか、舗装が施されてすき間もなくなったということです。
以下ソース
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/91133.html