<拝啓トーキョー 海の向こうから>母の生まれた国で鍛錬 競泳、オマーン国籍、中京大3年 イサ・アルアダウィ
2020年8月28日 07時27分 (8月28日 07時33分更新)

 新型コロナウイルスの感染が顕著になり、東京五輪の行方が揺れていた3月。中京大で競泳に打ち込むオマーン国籍のイサ・アルアダウィは思い巡らせていた。「日本に残るか、オマーンに戻って練習するか」

 日増しに厳しくなってきた国際便での移動。母国の家族からは「戻ってきたほうがいいんじゃないか」と心配する声が寄せられた。オマーンでのプール使用は見通せず、日本を離れれば大学の授業にも影響が出る。相談を重ねた上に選択したのは「日本で過ごしたほうがいい」。これまで通り、レベルの高い練習環境に身を置く選択をした。

 コロナ禍でまともにプールに入れなかった期間は2カ月以上。4月に中東で予定された代表選考を兼ねた国際大会は中止になった。愛知県豊田市の大学に近い学生寮で過ごす毎日。再び本格的に泳げるようになったのは6月下旬だった。
 この時期、新規感染者数が1000人を超えた日もあり、オマーンに住む仲間たちはまだ泳ぐことができていなかった。オンラインで連絡を取った代表クラスのスイマーに聞くと、ひたすら陸上トレーニングなどで体を動かしていたという。

イカソース
https://www.chunichi.co.jp/article/111263