VR使い自宅で「いい湯だな」 有馬温泉が動画配信へ 神戸

毎日新聞2020年4月15日 14時35分(最終更新 4月15日 14時47分)

 自宅にいながら温泉気分をどうぞ――新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受け、9割の旅館が臨時休業している有馬温泉(神戸市北区)で、旅館の若手経営者らが、温泉を疑似体験できるVR(バーチャルリアリティー、仮想現実)映像の製作を始めた。近く動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信する。

 近年は外国人観光客も増え、にぎわっていた有馬温泉だが、緊急事態宣言以後、31軒ある旅館のうち27軒が臨時休館。市の入浴施設「金の湯」「銀の湯」も10日から休館し、温泉街はひっそりしている。

 そんな中「今できることをスピーディーに」と、旅館「有馬山叢(さんそう)御所別墅(べっしょ)」主人の金井一篤さん(39)ら若手の有志4人が、VR映像による情報発信を発案。「外出自粛のストレスを温泉のバーチャル体験で癒やしてもらおう」と、プロのカメラマンに依頼し「元湯龍泉閣」「竹取亭円山」など5軒の旅館で温泉のVR映像を撮影。1軒につき15〜20分に編集する。

 動画からは、視覚や聴覚を通して露天風呂にそよぐ風や、桜の花びらが舞う様子、水音などを感じられる。視聴にはVR対応のゴーグルが必要なのがネックだが、金井さんらは「自宅でゲームをして過ごす人も多いと聞くので、ゴーグルの利用者も増えるのでは」と期待。「参加施設を増やし、世界中に有馬の湯の癒やしの力を届けたい」と話した。

 第1回の配信は17日から。インターネットでは「有馬温泉湯めぐりVR」で検索できる予定。【木田智佳子】 

https://mainichi.jp/articles/20200415/k00/00m/040/136000c