【政治】

即位恩赦55万人対象 18日の閣議で正式決定

2019年10月16日 朝刊


 政府は十五日、天皇陛下の即位に伴う二十二日の「即位礼正殿の儀」に合わせて実施する予定の政令恩赦について、対象者数が約五十五万人に上るとの見通しを自民党総務会に報告した。十八日の閣議で正式決定する。鈴木俊一総務会長が記者会見で明らかにした。
 政令恩赦は、昭和から平成への代替わりで二度にわたり実施。一九八九年の昭和天皇大喪では有罪判決を無効とする大赦と、制限されている資格を回復させる復権を合わせ一千万人以上、天皇陛下(現上皇さま)の即位で九〇年に実施した際は復権のみで約二百五十万人が対象となった。
 関係者によると、今回の政令恩赦は、罪種は問わない一方、比較的軽微な事件で罰金刑となり、確定から三年が経過した人に対する復権にとどめる方針。犯罪被害者への配慮から、重大犯罪が含まれる懲役刑や禁錮刑となった人は除き、大赦や刑を軽くする減刑は実施しない。恩赦は行政権によって、裁判で確定した刑罰の内容を変更させたり、消滅させたりする制度。復権は有罪で喪失・停止した資格が回復される。
 罰金刑になると、医師などの国家資格を五年間得られないが、復権の対象となれば、国家試験を受けられるようになり、社会復帰が後押しされる。公選法の場合は公民権が回復し、選挙権や被選挙権が得られる。


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