公立大学法人九州歯科大学(北九州市小倉北区)が今年度の一般入試の追加合格者について、保護者に30分間連絡がつかなかったため辞退者と見なしていたことが、大学への取材でわかった。内規によるものだが募集要項に説明はなく、大学は保護者の抗議を受け、「受験生の不利にならないようにすべきだ」として追加合格にした。

 大学によると、歯学部口腔(こうくう)保健学科の一般入試で3月8日の合格発表後、3人が辞退し、同月28日に不合格者の中から成績上位の3人を追加合格とすることにした。うち2人には電話連絡がついたが、1人は連絡先として届け出があった保護者の携帯電話に2回電話してもつながらなかった。

 追加合格について「複数回電話をしても30分間つながらない場合は入学辞退とみなす」との内規があり、30分が経過した後、辞退と判断。次点の受験生を追加合格とした。

 だが、辞退と見なした受験生の保護者から、最初の電話から約1時間後に折り返しの電話があった。大学が入学辞退と見なしたと説明すると、抗議を受けた。同日中に学内で対応を検討し、「丁寧さを欠いた」として入学辞退の判断を取り消し、追加合格を認めたという。

 募集要項には追加合格について、3月28〜31日に電話連絡するとの説明があるが、入学辞退の内規について記載はなかった。大学は今後、募集要項の記載や内規のあり方について見直しを検討するという。

朝日新聞デジタル
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