6月4日 20時40分
愛知県警察本部が作成し、今月から掲示されている痴漢撲滅を訴えるポスターで、描かれた男性が逮捕された段階で罪が確定したかのような表現が使われているとして、インターネット上で批判が相次いでいます。

ポスターでは「あの人、逮捕されたらしいよ」という見出しとともに男性のイラストが描かれ、左半分には女性2人がSNSの「LINE」を使ってやり取りしているような形式で「性犯罪者じゃん」「仕事もクビになるよね〜」などと書かれています。

これについて、逮捕された段階ですでに有罪が確定したかのような表現が使われているとして、インターネット上では「逮捕=犯罪者扱いするのは一線越えすぎじゃない?」「これを警察が出しているところが最大の恐怖」などといった厳しい意見が相次いでいます。

ポスターについてツイッター上でいち早く指摘した弁護士の亀石倫子さんは「裁判で有罪が確定するまでは、逮捕されても罪を犯していない人として扱われなければならない。
痴漢は特にえん罪が生まれやすい犯罪でもあり、警察が誤ったメッセージを伝えるのは問題が大きい」としています。


取材に愛知県警コメントせず

NHKでは今回のポスターについて愛知県警察本部にどんな意図で作成したかなど説明を求めましたが、これまでのところコメントをしていません。


愛知県警のポスター これまでも批判

愛知県警は毎年薄着の女性が増えるこの時期に「痴漢撲滅キャンペーン」を行っていて、これに合わせて痴漢防止のポスターを作成しています。

平成27年のポスターはアニメ調の女子高校生風のイラストに「カメラがあなたを狙ってる!」と書かれたものですが、描かれている女の子の姿が「盗撮を助長する」などとしてネット上で批判が起きました。

翌年以降もアニメ調の男女のイラストのポスターが続き、痴漢などに対してすぐに通報する女性が「ワンランク上」などと書かれたポスターでは「えん罪が増える」などといった意見がネット上に書き込まれました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180604/k10011464431000.html