橋本拓樹2018年2月22日20時30分
 太陽光発電システムの販売をするサニックス(福岡市)の入社時の研修で24キロ歩かされたことで足に障害を負ったとして、元社員の男性(52)=広島県福山市=
が同社に損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、広島地裁福山支部であった。金光(かねみつ)秀明裁判官は研修と障害の因果関係を認め、1592万円の賠償を命じた。

 男性は2013年8月に入社。福岡県宗像(むなかた)市での研修で、24キロを5時間以内で歩くプログラムに臨み、4時間51分で歩ききった。
その後病院で右足関節離断性骨軟骨炎などと診断され、足の一部の関節の可動範囲が狭まるなど両足に障害が残ったという。
当時身長171センチ、体重約101キロ。事前の訓練で足の痛みを訴えたが、「完歩しないと正社員にはなれない」と言われたと主張していた。
 判決は、足の障害は研修によるものと認定。「参加者の個人差や運動経験に配慮していない点で、無理があるプログラム」と指摘し、
事前の訓練で痛みを訴えたのに中断させず、医師の診察も受けさせなかったことは安全配慮義務違反にあたるとした。
 同社の広報担当者は「主張が認められなかったことは遺憾。今後の対応は判決を確認してから検討したい」としている。(橋本拓樹)
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