国際移住機関(IOM)は10日、イエメン沖でソマリアやエチオピアからの移民・難民約180人が密航船から海に突き落とされ、5人が死亡、約50人が行方不明になったと明らかにした。9日にも120人以上の移民が海に落とされ、2日間の被害者は300人超、計34人の死亡が確認された。

 イエメンは内戦下にあり、密航業者は当局や武装勢力に見つかりそうになった際、移民を強制的に海に落として船で現場を離れており、IOMは「摘発を恐れる業者は同様のことを繰り返す恐れがある」としている。

 IOMによると、密航船に乗っていたのは若者が多く、9日のケースではイエメン南部シャブワの海岸で29人の遺体が発見された。

 IOMは今年に入ってソマリアやエチオピアからイエメンを経由した移民・難民が約5万5千人に上ると推定。半数以上が18歳未満で、ペルシャ湾岸の豊かな産油国を目指す例が大半という。

http://www.sankei.com/world/news/170811/wor1708110022-n1.html