年商1億円以上のメロン農家として知られる北海道中富良野町の「寺坂農園」(寺坂祐一社長)で先月、収穫直前のメロン6600個が枯れ、土壌から除草剤の成分が検出されていたことが分かった。農園は何者かが侵入して除草剤をまいた疑いがあるとして、威力業務妨害罪で富良野署に被害届を出した。

 寺坂農園によると、7月に入ってビニールハウスの全自動換気装置の設定が狂うことがあり、従業員のミスと思っていたが、10日朝に電源ブレーカーが落とされ、給水栓が半開きになっているのに気づいたという。

 その後、大量のメロンが枯れ始め、31棟のビニールハウスのうち6棟で全滅した。専門機関に調査を依頼したところ、除草剤がまかれていたことが判明した。

 出荷を予定していた3万1000個のうち、6600個が出荷できなくなり、被害額は約1500万円に上る。事後対応にかかった費用を含めると損害はさらに増えそうだ。

 寺坂社長は平成3年に農家を継いだ当初は1400万円の借金があったが、インターネット通販や直販所による販売で急成長。24年度に年商が1億円を突破し、全国の農業関係者から注目されている。『直販・通販で稼ぐ! 年商1億円農家』の著書がある。

 寺坂農園販売課チーフの笹原秀剛さんは「誰がやったのか…。丹精込めて育てたメロンがこんなことになって悔しい。模倣犯が出たり、富良野メロンの評判が落ちるのが心配だ」と話している。

http://www.sankei.com/affairs/news/170804/afr1708040013-n1.html
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除草剤がまかれメロン6600個が収穫不能になった寺坂農園のビニールハウス=北海道中富良野町(同農園提供)