学校法人「森友学園」(大阪市淀川区)が大阪府豊中市の元国有地で建設していた小学校の設置認可申請をめぐる問題で、府議会は10日の本会議に学園の籠池(かごいけ)泰典前理事長を参考人招致し、質疑を行った。籠池氏は、評価額から8億円余りを差し引いて国有地の払い下げを受け、小学校開設を目指した過程を振り返り、「(府の)認可適当の答申があり、全てが動き出した」と述べた。一方、補助金不正疑惑などについては「刑事問題になっている」として答えなかった。

 籠池氏は本会議で「(認可審査をめぐって)疑念を生じさせ、関係者や保護者、児童におわび申し上げる」と謝罪。国有地の格安取得や認可申請の審査手続きについて「当時の顧問弁護士に一任していた。弁護士に尋ねた方が真相究明に寄与する」と訴えた。

 安倍昭恵首相夫人から100万円の寄付を受けたとする主張については、2人きりの状況で夫人から封筒を受け取ったという従来の説明を繰り返し、「確実にあった」と述べた。

 一方、学園が運営する幼稚園の補助金不正受給疑惑や、校舎の建築費をめぐって国や府に金額の異なる3種類の工事請負契約書を提出した点などに関しては、「刑事訴追の恐れがある」として説明を避けた。

 学園をめぐっては府が5月、学園側に補助金約6200万円の返還を求めるとともに、補助金の申請手続きを担当していた籠池氏を詐欺罪で大阪地検特捜部に告訴。特捜部は6月、籠池氏の自宅などを家宅捜索している。

http://www.sankei.com/west/news/170710/wst1707100114-n1.html
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籠池泰典氏の発言のポイント