警視庁刑事総務課は6日、さいたま市浦和区の女が埼玉県警に死体遺棄容疑で逮捕される前、警視庁の交番や
警察署を訪れて「旦那を殺した」と申告していたにもかかわらず、応対した警察官らが事実関係の確認を怠って
帰宅させていたことを明らかにした。説明に一貫性がなく、妄想と判断したためという。

 警視庁などによると、女は無職和久井絹子被告(53)。6月15日に逮捕され、今月5日に死体遺棄罪で
起訴された。

 警視庁によると、和久井被告は6月9日昼、東京都北区のJR赤羽駅前の交番を訪れて夫(70)の殺害を
申告したが、交番相談員は内容を信じず、赤羽署へ行くよう指示。署で対応した警察官も、名前や住所を聞き
取らないまま、帰した。

 和久井被告は同10日未明にも同じ交番を訪問。警察官は名前などを聞いて署へ連絡したが、前日の取り扱い
事案と同じと判断し、帰宅させた。

 和久井被告は同11日になり、持病の治療のため訪れた都内の病院で同様の説明をした。病院から警視庁を
通じて通報を受けた埼玉県警が自宅を確認したところ、夫の遺体を発見したという。

 警視庁は「指導を徹底し、同種事案の再発防止に努めたい」としている。

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