2017.7.2 21:40

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ビールケースの上に立ち、敗戦の弁を述べる勝谷誠彦氏=7月2日午後8時44分、神戸市中央区(小松大騎撮影)

 抜群の知名度と舌鋒(ぜっぽう)鋭い演説を武器に、兵庫県知事選に挑んだ無所属新人でコラムニストの勝谷誠彦氏(56)。2日夜、早々に敗戦が決まると、支援者の前で泣き笑いの表情で敗戦の弁を述べた。

 午後8時すぎ、勝谷氏陣営が当落の結果を待つ神戸市中央区のレストランでは、集まった支援者らがインターネットで井戸敏三氏当確のニュースを知り、重苦しい雰囲気に包まれた。

 約30分後、姿を現した勝谷氏は6月15日の告示日の第一声の際と同じくビールケースの上に立ち、「あー楽しかった」とひと言。「左巻きの発言になっちゃうけど、(キューバ革命で)義勇兵を率いて戦ったチェ・ゲバラの気分。
ただゲバラは勝って、俺は負けたけど」と話し、「いい勉強をさせてもらった。ありがとう」と選挙ボランティアらに感謝の意を表した。

 敗因については「分からない。兵庫にはものすごく暗い地下水脈があって、それには及ばなかった」と話し、組織戦を展開して5選を果たした井戸氏陣営を揶揄(やゆ)。終始泣き笑いの表情だったが、「これまで保守を掲げてきたが、日本の保守がいかにくそか分かった」と語気を強める場面もあった。

 「選挙という戦場を経験し、一皮むけた。そのへんでヘラヘラしているコメンテーターより100倍タフ。また雇ってください」と報道関係者に頭を下げて笑いを誘った。

 勝谷氏は「明るく楽しい兵庫県」を公約に掲げ、子育てと教育に重点を置いた施策をアピール。トレードマークのサングラス姿で街頭に立ち、
「5期20年は長すぎる」「知事が変われば兵庫は変わる」と井戸氏の多選批判を繰り広げた。だが、政党や特定の組織の支援がなく、井戸陣営の強固な組織力にあと一歩及ばなかった。

http://www.sankei.com/west/news/170702/wst1707020073-n1.html